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From Research Inquiries

2008年06月22日

【ニュース&コメンタリー③】 夢のある防衛装備行政へ

― わが国は10年前の提言をどのように受け止めてきたのか ―

最新の米国防計画では従来のコスト・ベース・アプローチから技術・管理主体のリスク・ベース・アプローチにシフトした。これは米国防取得計画でいえば装備品はコスト削減主体ではなくリスクに応じた技術や管理能力を選択することが重要であるということである。一方わが国は依然としてコスト削減主義でありそのために重要な生産基盤が次々と失われつつある。今回は内憂外患の感があるわが国の防衛行政に関するニュースを紹介する。

なおこの記事は弊社のニュース&コメンタリ・シリーズとして2007年8月の月刊誌「JADI」に掲載したものである。


日本とNATO協力に関する発言
2007年5月1日米国にて開催された日米2プラス2閣僚会議において日本のマスコミは米国防長官が日本とNATOとの広範な協力を実現する手段も模索していくと報じた。英文声明では達成するとなっており、多分に意図的な解釈となっている。そもそもわが国にとって何故今NATOなのかという問題が置き去りにされているからである。日本の政府およびマスコミはそのことに対してもっと説明を加える必要がある。

米国の多国間標準化の統合政策
ところでDODは2006年の標準化総会においてオーストラリアやNATOとの標準化統合の実績を発表した。イラク戦争をはじめとする多くの共同戦線においてNATOにおける物資や後方支援の実態がまことにお粗末であった。そこで米国は協調体制の強化のためにDODとNATOの標準化政策の統合を強化してこ入れを図った。

NATOとの標準化政策の統合
なかでも米国はSTANAG(NATO標準化文書)の強化、MILスペックとの連携や共同運用性(Interoperability)、NATO加盟諸国の国家規格や民間規格との連携の強化を図った。総会では多くの実例が紹介された。

ABCA連合との標準化政策
米国にはもうひとつ重要な同盟国グループABCA連合があり総会では多くの活動事例が紹介された。ABCA連合の歴史は古く第2次世界大戦のさなかに米国、イギリス、カナダの協力関係が始まった。その後オーストラリアが加入し現在ではニュージーランドも加盟し、まさに英語圏の国々による最も連携を密にした政策の運用と実践がなされている。

米国防計画(QDR)の改善
4年ごとに見直しが図られる2006 QDR(4年毎の米国防計画の見直し)の中でDODは現在のコスト・ベース・アプローチに変わってリスク・ベースの資源選定プロセスの採用を検討している。資源の選定は唯一の基準としてコストを利用するのではなくて技術および管理両面のリスクに基づいたものが望ましい。コスト、技術的リスク、管理の実態についてバランスをとるうえで、それぞれ責任の所在を明らかにしつつ、DODの統合力、資源配分および取得プロセスのより密接な統合が必要としている。

98年わが国防衛生産委員会の提言
日本企業は防衛生産に対して冷めてきており、防衛離れが懸念されている。防衛生産・技術基盤がなくなると、外国から高い装備を買わされたり、外交上の取引を要求されることになる。外国に技術を握られている場合には国内開発した装備とは違いコスト・ダウンの努力も自由にはできない。先に夢があれば企業は今後も防衛生産を継続できる。民間企業は民需部門からの資源投入も行なってきたがそうした余裕もなくなってきている。

これは10年前にわが国の防衛装備の実態が経団連防衛生産委員会で報告された内容の一部である。だが当時取り上げた内容が現在においても置き去りにされていることを改めて検証しなければならない。現在においても防衛装備品というわが国の基幹産業品が悲鳴を上げている。国産品の減少に歯止めがかからない。認定企業が益々減っている。今後諸外国との広範な協力体制を築くためにもこれらの問題解決が急務となる。

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