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From Research Inquiries

2008年06月22日

【ニュース&コメンタリー②】 MILスペック・モニタリングの成果

― 日本の防衛・航空産業界における依存体質からの脱却 ―

MILスペックが変わり始めている。日本の防衛・航空業界にとっては永年にわたりデファクト標準として半強制的に利用されてきたMILスペックは米国防総省(DOD)の取得改革により一時は半減したが、ここにきて新しい動きが活発化している。MILスペックには過去からの膨大な遺産と優れた教訓が嵌め込まれているからである。ここにきて日本のユーザも「将来を見据えた見直し」を図ることで従来の依存体質から脱却する動きが高まっている。

この記事は なおこの記事は弊社のニュース&コメンタリ・シリーズとして2007年7月の月刊誌「JADI」に掲載したものである。


MILスペックの変遷を象徴する事例を紹介しよう。1969年世界で始めてシステム・エンジニアリングの考えを標準化したMIL-STD-499はそのA版をもって廃止された。日本においても全ての物づくりの原典となったMIL-STD-499は最近になってDODがC版を草案(ドラフト)した。何故A版が廃止され、またB版やC版がどのような経緯で現在に至ったのだろうか。

MIL-STD-499がC版として復活
米空軍は2005年3月24日付で新たにMIL-STD-499Cをドラフト化してSMSC (Space Missile Systems Center)向けに運用し始めた。その5日後前回紹介したDOD省令(2005年3月29日)により、DOD調達においてはより柔軟な対応でMILスペックを引用することが認められ従来のような特認機関(MDA)に承認される必要はないという新方針が通達された。

DOD改革がMIL-STD-499を廃止
DODは1990年台になるとできるかぎり民間規格やPRFスペックの適用を優先するようになり、1994年国防長官は特別に認可を受けた以外は取得計画においてはMILスペックを引用してはならないとする通達をだした。その結果1992年にMIL-STD-499のB版が発行される予定であったが、この通達により発行が見送りとなった。それどころか3年後には当時運用されていたA版も廃止処分となった。その結果MIL-STD-499Bがマイナーチェンジされ、IEEE-1220とEIA-632という民間初のSE規格として発行されたことは有名な話である。

振り子が反対側に振れ始めた
しかしながら近年振り子がまた思わぬ方向に振れ始めた。原因のひとつに2001年に勃発した同時多発テロの恐怖がアメリカの防衛概念を大きく変えてしまったことにある。改めてDODは過去から学んだ教訓や経験を生かす再活性化(Revitarization)という号令の元、昔に戻るのではなく昔を生かした新しい創生に向かうべきであるという新しい概念を生み出したのである。MIL-STD-499が復活した理由もここにあった。このようにひとつひとつの標準の変遷には背景となる時代の陰影が色濃く投影されているのである。

弊社のMILスペック・モニタリング
データクラフトは1999年以降、常時MILスペックをモニタリングしており年間約5千件の更新データをタイムリーにユーザに提供している。これらのユーザは弊社からの生情報を部品や材料のデータベースに搭載して自社の開発設計や資材調達業務の最新化、効率化に反映させている。

DODアドバイザリー・レポート
また弊社ではこれらユーザから依頼されるMILスペック等の記述や内容、代替情報など更新に関するあらゆる問題について常時DODからの具体的な回答や提言を取得しておりその数は膨大にのぼる。これらの回答はDODの公式情報として改善提案など具体的な成果につながっている。

依存体質からの脱却
わが国は永年にわたりDODや海外航空機メーカの標準に依存してきたために自主努力への意識不足が指摘されてきたが、ここにきて将来を見据えた見直しが高まっている。(弊社ニュース・ブログもご覧ください。)

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