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2007年06月10日

MILスペック・モニタリングの成果

日本の防衛・航空産業界における依存体質からの脱却 
MILスペックが変わり始めている。MILスペックは米国防総省(DOD)の取得改革により一時は半減したが、ここにきて新しい動きが活発化してきた。MILスペックには過去からの膨大な遺産と優れた教訓が嵌め込まれているからである。日本の防衛・航空業界にとってMILスペックは永年にわたりデファクト標準として依存してきたが、今日本のユーザにもその依存体質から脱却し独自に動向を監視することでこの半恒久的な標準を積極的に活用する姿勢がでてきている。


ここにひとつの事例がある。今から40年近くも前の1969年、世界で始めてシステム・エンジニアリングの考えを標準化したMIL-STD-499はそのA版をもって廃止された。日本においても全ての物づくりの原典となった。この標準は最近になりDODが改めてC版として草案(ドラフト)した。何故A版が廃止され、またB版やC版がどのような経緯で現在に至ったのだろうか。

MIL-STD-499をC版として復活
米空軍は2005年3月24日付で新たにMIL-STD-499Cをドラフト化してSMSC (Space Missile Systems Center)用として運用し始めた。その5日後、前回本稿で紹介したDOD省令(2005年3月29日)によりDOD調達においてはより柔軟な対応でMILスペックを引用することが認められ従来のような特認機関に承認される必要はないという新方針が通達された。

DOD改革がMIL-STD-499を廃止
DODは1990年台になるとできるかぎり民間規格やPRFスペックの適用を優先するようになり、1994年国防長官は特別に認可を受けた以外は取得計画においてはMILスペックを引用してはならないとする通達をだした。その結果1992年にMIL-STD-499のB版が発行される予定であったが、この通達により発行が見送りとなった。それどころか3年後には当時運用されていたA版も廃止処分となった。実はその結果MIL-STD-499Bがマイナーチェンジされ、IEEE-1220とEIA-632という民間初のSE規格として発行されることに繋がったのである。

振り子が反対側に振れ始めた
しかしながら、ここにきて振り子が思わぬ方向に振れ始めた。原因のひとつとして2001年に勃発した同時多発テロの恐怖はアメリカの防衛概念を大きく変えるものとなった。そこでDODは過去から学んだ教訓や経験を改めて生かすRevitarization(再活性化)という号令の元、昔に戻るのではなく昔を生かした新しい創生に向かうべきであるという概念を生み出した。MIL-STD-499が復活した理由もここにあったのである。このようにひとつひとつの標準の変遷には背景となる時代の陰影が色濃く投影されているのである。

MILスペック・モニタリング
データクラフトは1999年以降MILスペック・モニタリング業務を行っており、防衛省を始め、日本のプライムベンダやサブコントラクタに最新動向や生データを提供している。これらのユーザではMIL部品や材料のデータベース更新情報として開発設計や資材調達に反映させて大きな効果を挙げている。

DODアドバイザリー・レポート
またデータクラフトはこれらユーザからの依頼に基づき新しい記述や内容、代替情報などMILスペックの変遷に伴う問題についてDODからの助言や提言を入手することで公式情報として多くの改善提案につなげている。

依存体質からの脱却を目指して
わが国はDODや海外航空機メーカの標準や仕様に依存し、自主努力への意識不足が指摘されてきたが、ここにきて将来を見据えて積極的な活用を目指すユーザが現れてきた。

注:MILスペック・モニタリングやDODアドバイザリー・レポートについては別途お問い合わせください。

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