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2007年04月02日

STANAGのてこ入れと連携

アメリカはNATOとの協調体制強化のためにDODとNATOの標準化政策の統合(共通化)を行い「てこ入れ」を図ったが、NATOに参画する同盟諸国に対しても数々の支援策を提供するとしている。そして標準化こそがすべての国々や同盟国にとって重要であると提言している。今後アメリカは他の同盟国(例えば日本)に対しても同様の政策を打ち出すものとも考えられるが、このNATOとの標準化統合はその好事例といえよう。


DODとNATOの標準化政策の統合
昨年出席したDOD主催の標準化総会で、アメリカは多国間における標準化政策(DSP:Defense Standardization Program)の連携や統合化といった問題を鋭意推進していることを紹介した。

すでに知られていることであるがアメリカはこのNATO以外にもABCAやEUなどDSP分野においても対外諸国向けの統合化政策(Joint Program)や共通運用活動( Interoperability)が実績を上げ始めている。ただアメリカでさえもこれら対外諸国向けの統合化活動は言葉で言うほど簡単ではないことを痛切に感じているようだ。

アメリカはNATOとの標準化政策において正式調印したことで数多くのDOD政策がNATOの標準化政策の遅れに歯止めをかけたとしている。これはすでに周知の事実であるがイラク戦争をはじめとする多くのアメリカ軍との共同戦線においてNATO軍における物資や後方支援の実態がまことにお粗末であった。そこでアメリカはNATOとの協調体制の強化のためにDODとNATOの標準化政策の統合(共通化)を強化し「てこ入れ」を図ったわけである。

STANAGの強化
なかでもSTANAG(NATO標準化文書)の強化、MILスペックとの連携や共同運用(Interoperability)、NATO加盟諸国の国家規格や民間規格との連携の強化を図った。アメリカはNATO標準化政策に深く関与し、JSB(Joint SrandardizationBoard)ワーキング・グループが命題を与え、新たに変革された標準化要求に対する戦略提案を掲げている。またJSBはNATOに参画する同盟諸国に対して数々の支援策を提供するとしている。そして「標準化こそがほとんどすべての国々や同盟国にとって重要である」と提言している。なかでもNATOの標準化文書であるSTANAGをMILスペックとの共通運用性を高めるために大きく改革した。

DODにおけるSTANAG
DODによるMILスペック公式サイトにおいて公開されたSTANAGを閲覧し、ダウンロードすることができることをご存知であろうか。DODは古くからSTANAGをISA(国際標準化条約)のもとMILスペックなどとともにMILスペック公式サイトで紹介してきたが、新しい連携のなかその内容を大きく変更あるいは更新させている。

そのもっとも大きく変化したこととして古くは公開自由文書として存在したSTANAGは現在そのほとんどが非公開文書、あるいは配布制限文書となっている点であろう。

DODによれば本日現在STANAGは1424件存在するが、公開が認められているSTANA(DistributionレベルA)はわずかに13件で、その他はすべてCDD(DistributionレベルがC)として一般の配布が制限されている。これら公開が許されたSTANAGはすべて新規にあるいは近年更新された文書で自然や環境および人間に影響する具体的な標準化政策となっている。

新しくNATOサイトを公開
このような動きの中で新しくインターネットのNATOサイトが立ち上げられ、これら新しく公開されたSTANAGをはじめ、多くの関連文書やその情報を入手することが可能になった。このように従来からアメリカに立ち遅れることが多かったヨーロッパ諸国のインターネットによる情報開示もこのNATOを好事例として今後アメリカ指導の下益々進んでいくことになろう。

なお、これら新しいNATO文書はSTANAGをはじめすべて英語版とフランス語版が用意されている。こういった国際標準化という枠組みは記述に大きく影響され、英語は万国共通語としてデファクトスタンダードであるがフランスや英語を母国語としない他の同盟職にとってどのような標準化体制を敷いていくのかは今後の課題である。

このようにいままでは標準化文書の記述を英語とする点で比較的スムーズにアメリカを中心とした国際標準化協調体制が敷かれてきたが、これら今後これら協調体制が拡大していく中、どのような政策で日本を含めて言葉の問題を解決していくのかが新たな課題といえよう。


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