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2007年02月07日

アメリカ国防標準化政策の現状と問題点ー第3回

前回に引き続きまして、日本防衛装備協会による会員誌「JADI」に本稿が掲載されましたので、その内容を紹介させていただきます。なお当メールマガジンの性格上、掲載される表や図につきましては省略いたしますが、ご希望の方は別途ご要望ください。




        
パネル・ディスカッション2ー多国間における標準化の統合

パネル・ディスカッション2では、アメリカは多国間における標準化政策(DSP)の連携や統合化といった問題を鋭意推進していることを紹介しよう。すでに知られていることであるがアメリカはDSP分野においても対外諸国向けの統合化政策(Joint Program)や共通運用活動( Interoperability)が実績を上げ始めている。ただアメリカでさえもこれら対外諸国向けの統合化活動は言葉で言うほど簡単ではないことを痛切に感じた。

昨年NATOとの正式調印がおこなわれ、DODとNATOの標準化政策が統合され、数多くのDOD政策がNATOの標準化政策の遅れに歯止めをかけたとされている。これはすでに周知の事実であるがイラク戦争をはじめとする多くのアメリカ軍との共同戦線においてNATO軍における物資や後方支援の実態がまことにお粗末であった。

そこでアメリカはNATOとの協調体制の強化のためにDODとNATOの標準化政策の統合(共通化)を強化し「てこ入れ」を図ったが、今回はその具来的な成果について報告があった。

NATOとの標準化政策の統合

なかでもSTANAG(NATO標準化文書)の強化、MILスペックとの連携や共同運用(Interoperability)、NATO加盟諸国の国家規格や民間規格との連携の強化を図った。NATO事務局の担当者らの出席のもと、改革された事例が多数紹介された。

アメリカはこれらの教訓と成功例において今後の他国との標準化政策を米国主導のもとに展開することが大いに予測される。現在DODの標準化政策の実務部門はDSPOであるが、DSPOには国際担当部門が設置されており、各国間との連携・調整が行われている。

          
また次のパネルでは同盟諸国標準化要求(ASR:Alliance Standardization Requirements)という言葉が使われており、NATO諸国との間で協議され、調整会議で承認されたとしている。


またアメリカはNATO標準化政策に深く関与し、また貢献しているとしている。JSBワーキング・グループが命題を与え、新たに変革された標準化要求に対する戦略提案を掲げたとしている。JSBはNATOに参画する同盟諸国に対して数々の支援策を提供するとしている。そして「標準化こそがほとんどすべての国々や同盟国にとって重要である」と提言している。

ABCA連合との標準化政策

アメリカはNATOとは別にもうひとつの重要な同盟国グループを維持している。それがABCA連合(America, British, Canada, Australia Coalition)である。ABCA連合による標準化政策は米国、イギリス、カナダ、オーストラリアの各国が協調して防衛標準化政策の運用と実践をおこなうもので新たにニュージーランドも加わり、今回はその活動内容が紹介された。

ABCA連合の歴史は古く、すでに第2次世界大戦のさなかにはアメリカ、イギリス、カナダの協力関係が始まったとされている。その後オーストラリアが加入し、現在ではニュージーランドも加盟し、まさに英語圏の国々による最も連携を密にした標準化統合組織であり、当然ながら調達システムや認定基準などすべてのレベルにおいてアメリカ主導によるシームレスな関係を構築しているのである。

次のパネルではABCA各国が役割を分担して任に当たっていることが紹介された。DSPの観点で言えばまさにこれらの諸国は真のアメリカ同盟国といわなければならない。これらABCA連合(Coalition)は締結された4カ国標準化条約(QSTAGs:Quadripartite Standardization Agreements)の具体的な政策について討議し連合作戦ハンドブック(Coalition Operations Hnadbook)や指示書や組織、専門家による情報交換を行うとしている。

EU連合との標準化政策

アメリカの国防標準化統合においてNATOやABCAと並ぶもうひとつのグループがEU諸国との標準化政策統合の展望である。JSBは具体的な方針として現在のEU調達や標準化のあり方を確認し規格類の選別をして最も望ましい方法を提供することにあるとしている。

これらJSB専門家グループによる第一段階として2004年には8部門の技術分野における合意がなされ、12カ国から112人の各分野の専門家が選出されたこと、および民間規格やNATO STANAGを含めたすべての規格が検討に移されたことなどが紹介された。この8つの技術分野とは次の通りである。また2006年に予定されている技術テーマは次の通りである。このような新しい技術テーマこそが、今アメリカが求めている具体化されたDSPと言えよう。また多くのテーマがアメリカ国内の統合化と共通するところが見逃せない点である。

ー次号につづくー         

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