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2016年10月31日

【NSNの取り組み方】

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―NSNガイドブックにみる米国の取り組み方―

現在、NSNは世界各国が採用し、国際標準の物品番号体系となったが、元々は1952年に米国で初めて誕生した。その後、NSNは欧州各国に広まり、現在では世界の63か国で採用される国際標準として防衛装備品の共通番号体系となったのである。米国ではNSNをNational Stock Number(ナショナル物品番号)と呼びNATO諸国ではNATO Stock Number(NATO物品番号)と呼んでいるが、その概念は共通しており同じである。そこでNSNへの取り組み方を研究するわが国として、米国によるNSNガイドブック(脚注)を元に解説したので、参考にしていただきたい。 (DCメール 2016年11月1日 No.424)


■NSNガイドブックにみる米国の取り組み方

第二次世界大戦においては、各国はもちろん、米国内でも陸海空の軍機関は、使用する同一物品に異なる名称を付けることが一般的であった。当時、これらの機関では同一物品を見極めることは難しく、同一名称による物品を共有することはほとんどの場合不可能であった。その結果、命名が異なるために、同一物品の役割が少なくなり、また重複する状況を生む結果となった。

例えば、日本で言う座金(ワッシャー)は、スペーサーあるいはシムと呼ばれていた。いろいろな機関が異なる名称でこのワッシャーを呼んでいたら、必要な時に別の機関から同じ物品を識別して入手することはできない。そこで米国防総省(DOD)は、類似在庫品の増加を抑制するためには、物品特性を詳しく比較することが不可欠であるとしたのである。

1952年、米国第82連邦議会第2分科会において、国防カタロギングと標準化法が法制化された。現在、公法436―539章において次のように記されている。

DODにおける経済的、且つ効率的な補給品カタログ・システムと補給品の標準化、および補給試験、検査、パッケージング、受理設備の効率的な運用を設立する法律が施行された。この法律は国防カタロギングと標準化法と呼ばれた。

そのセクション2では、DOD内にDSMA(国防補給管理庁)を設立し、統一したカタログ・システムと関連補給標準化プログラムを開発するとすることとした。

また、セクション4aでは、カタロギングにおいてDODや関連部局が反復して運用し、購入し、仕入れ、分配する物品を指定し、記述し、分類し、番号を付けることとした。その方法により、文字または数字による特殊なコンビネーションだけで同一物品を識別する単一の識別方法が、製品の購入から廃棄に至るまで、補給のすべての機能に運用されなければならないとした。

そして補給するあらゆる物品がすべて含まれているものに必要な記述的な運用データ、寸法、重量、立体求積法、パッケージングまたはパッキング・データ、標準定量的測定ユニット、および他の関連するデータの物品情報を閲覧することができ、統一されたカタログがなければならないとした。これがいわゆる米国におけるFCS(米連邦政府カタログ制度)である。

そして、米国連邦政府において繰り返し調達、保管、出庫および運用する補給品に適用される公式表号をNSN(National Stock Number)とした。

物品にNSNが割り当てられる際に、記載するための各種データが組み込まれる。これらのデータ要素には、物品名やメーカーの製品番号、および物質や性能特性などの情報が含まれる。このようにNSNは物品を管理、輸送、保管、配備する、いわゆる装備品ロジスティクス・サプライ・チェーンの根幹をなす要素となっている。

NSNは米国政府が補給する全ての物品を識別、管理するために航空機部品から電球に至るまで登用されている。NSNの登用は補給品名や補給用語、特性、管理データ等の標準化を促進し、在庫する物品の重複を削減する役割を果たしている。また、さらに潜在的な試験や評価についても、各機関からの要求を標準化させる要因となっている。

ところで、例えば普通の電球にもNSNが割り当てられていることを知っているだろうか。現在、NSNは米国政府やNATO諸国および世界中の多くの政府により公式に認められているが、これら物品のなかにはいわゆる需品と呼ばれる、多くの一般品も含まれている。DODを含む米国連邦政府機関では、年間に数十億ドルもの価値のある物品を購入し管理するためにNSNを使用しているが、米国政府ではNSN無くして国内外からの物品取得はできないシステムとしている。

ところで今日、民間企業もこれら標準化されたNSNシステムの必要性を評価し、また強化することが求められている。現在メーカーでは前出のワッシャーのように、同一部品に様々な製品名を使用しているが、異なる製品名を持った物品のカタログを作ることは、ロジスティクス管理システムに矛盾を与え、物品の在庫品を識別し、分離し、管理するうえで非常に困難となる。

メーカーはいろいろな定めによる番号を付けた商用部品を使用している。例えばメーカーは製品記述の一部として統一商品コード(UPC)や全米医薬品コード、全標準品サービス分類コード(UNSPSC) のような記述方法により製品を参照している。そこでNSNでは命名規則やロジスティクス管理データを標準化することで、物品を記述するためにさまざまな用語を使っているメーカーの負担を軽減している。

さて、(045)961-7766といえば、電話番号システムである。電話番号の3つの個別部分は容易に確認可能である。最初の部分は市外局番、第2の部分は交換局番、また3番目の部分は個有な4桁の数である。ちょうど電話番号の一部がそれぞれ別個の意味を持つように、NSNは補給品に関する具体的な情報を伝達するために形作られる。NSNは13桁からなる数値コードである。

NSNの最初の4つの数字は連邦補給分類コード(FSC)として知られている。例えば、6240は電灯用のFSCである。FSCは例えば蛍光灯や白熱灯、水銀灯およびナトリウム灯のように同一物品をグループ化するために使用されている。次の2つの数字は国別コードである。このコードは、物品にNSNの割り当てた国を示している。コード00および01はともに米国を識別するために使用される。残りの7桁の数字はNSNに連続して割り当てられた固有のコードである。

メーカーやサプライヤーはNSNを要求する権限はない。NSNは通常米国やNATO諸国等の各機関がメーカーやサプライヤーの製品を識別する際に必要とされ、要求され、遂行される。その要求はその後サプライ・チェーンを通じてカタロギングされ、国防ロジスティクス情報サービス(DLIS)へ送られてNSNが割り当てられるのである。

米国ミシガン州バトルクリークにあるDLISは、米軍や連邦機関やその他友好国からの要望でNSNを割り当てる。NSNはカタロギングと呼ばれる入念な審査プロセスの結果、政府が補給する物品に割り当てられる。カタロギングとは物品を命名し、連邦補給分類(FSC)を割当て、既知の全ての特性と運用データを識別するために記述し、そして最終的にNSN番号を割り当てるプロセスのことをいう。NSNはDLISが運営管理するFLIS(連邦情報システム)に含まれ、そして維持される。DLISはDLA(国防ロジスティクス機関)の一部門であり、米国においてNSNの割り当てを認められている唯一の機関である。

一般に、在庫にない物品が繰り返し発注される場合や、新しく装備システムが運用される場合にNSNの要求が起こる。新しいシステムが各軍によって展開される場合、プロビジョニング(準備)プロセスとばれる事前調査が始まる。このプロセスでは装備システムのライフ・サイクル全般を支援するために、可能なかぎりの予備品を識別する。このステップは運用を適切に支援するために不可欠である。このプロセスにおいて全ての潜在的な予備品の識別がなされ、NSN割り当ての要求がDLISに提出されるのである。

NSNの割り当てには物品を定義するために広範囲なロジスティクスデータが組み込まれる。これらには、製品名、メーカー部品番号、物質および性能特性、輸送データ、特殊ハンドリング、保管、保存期
間および在庫に必要ない物品を廃棄する方法に関した情報も含まれる。

ひとつのNSNのライフサイクル全体にわたって、これらのデータはメーカーや製品の変更あるいはその他製品の支援やロジスティクス・データや特性に影響する変更情報を入力するため定期的に更新される。

NSNは国内外の政府や軍機関、連邦機関などによって使用される。NSNは米国政府を初め、NATO諸国および世界中の他の多くの政府によって公式に認められている。NSNは多くの国々の軍機関が相互支援を展開する可能性を大きく広げ、またその任務を促進させるのに大きく貢献している。

ちなみにDODを含む多くの米国連邦機関では、何十億ドルもの製品を購入し、適切に管理するためにNSNを使用している。DLAは管理されたNSNがそれぞれの機関でどのように調達され、保管され、出荷されるかを検証し、要求された大量のNSNがどのように使用されているかを評価する。NSNは米軍と府機関との間で調整の元をなすツールとして役立っている。

またNSNのような補給用語の統一使用を実践することで、全軍機関が互いに調整し、準備と有効性を促進させることで、益々その重要性を増している。NSNは米軍機関の統合に効果的な役割を果たしているのだ。

NSNは全軍機関が統一識別情報にアクセスすることができる仕組みになっており、機械的に技術検査官や保守員やその他補給員は、武器システムを維持し、支援するために必要とされるすべての物品についての情報を見つけるために、FLISにおけるNSNデータの調査をおこなう。そしてNSNを使用することでロジスティクス・マネージャーや調達担当、作業計画者および産業基盤評価員が、製造、輸送、また前線に補給される物品識別および追跡するための標準方法を提供している。

DODの物品再利用・市場調査オフィス(DRMO)では、廃棄上特殊扱いが要求される物品を識別するために、NSNを使用して再利用および廃棄のための製品を識別する。例えば特定な非軍事要求を備えた製品、貴金属を含む製品、危険性物質や機密性技術を含む製品などを識別して再利用あるいは廃棄物として処理する。

このようにNSNは調達要員が迅速に部品を識別し、見つけかつ発注することを可能にすることによるダウン・タイム(停止時間)の縮小を図ることができる。また、適正在庫の確認、物品の保存期間の識別、交換・代用可能な物品識別により利用可能な代用品を最大限使用することもできる。

そのうえ武器システムのライフ・サイクルを拡張し、設計、製造および修理プロセスの周期を改善し、DOD物品情報を集約し機密情報を保護し、アクセス制限の保護を提供するのである。このように最も重要で最も広範な利益は、物品の取得要求から保守、そして廃棄に至るまでのライフ・サイクル管理を徹底提供することにあるといえるのである。

(注) NSNガイドブックの紹介はDLIS(米国防ロジスティクス情報サービス)の許可の元で行っている。記載された内容を無断で引用または転載することは禁じられている。


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