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2016年04月02日

【PUBLOG FLIS & NMCRL】

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―米国とNATOの最適装備品取得ツール ―

このたびユーザからPUBLOG FLIS とNMCRLについてのお問い合わせを受けた。これからのわが国防衛装備品事情が問われるなかで、いままで米国を中心として展開してきた世界の装備品環境がNATOやその同盟国を中心とした新しい世界標準に切り替わりつつあるからである。確かに後方支援の分野でさえも、もはや米国だけでは処することができない世界的な安全保障上の危機やそこに対処すべき後方支援策の在り方が今大きく問われている。そこには米国DODが掲げるPUBLOG FLISとNATOが掲げるNMCRLの相似形でありながらも、その細部には異なる魅力があることの断片をここでは少しだけ紹介しよう。(DCメール 2016年4月1日 No.410)


■PUBLOG FLIS & NMCRL

米国のFLISやNATOの掲げるNCSなどロジスティクス情報の最大の目的は取得が”迅速”(即応性)に行なわれることで装備品の欠落時間を短縮できることにあるが、本当の価値とはNSNに取り込まれる各種要素データにより、在庫の確認や保存期間の識別、交換・代替可能な補給物品の識別など運用可能な代替品の最大使用、価格情報などの提供により取得予算の最適化、武器システムのライフ・サイクルを拡張し、設計、製造および修理プロセスのためのサイクル・タイムの改善、機密情報を保護し多数の調達業者の登録、重複物品の識別援助などが最適に行なえることにあるといえる。
 
これら装備品や補給品のデータベースが最も重要で最も遠大なメリットは装備品市場が世界の諸国を巻き込んで多極化するなかでこれら装備品の取得要求から保守そして廃棄に至るまでのライフ・サイクル管理を提供することが可能となる点に他ならない。NSNの総合コスト概念はもはや米国だけにとどまらず、NATO諸国や国連( UN )における物品取得のオプティマム・ツール( 最適ツール )として世界最大のユーザを抱えるまでに膨張しているのである。

■PUBLOG FLIS

昨年、米国国防総省(DOD)後方支援庁(DLA)傘下のDLIS( 米国防後方支援情報サービス 機関) は従来から公開したWebFLISを終了し新たに米国政府ユーザ向けにユーザ登録を義務付けした新・WebFLISを提供しまたそれ以外の世界の公共ユーザ向けに新たにPUBLOG FLISの提供を開始する旨を通知した。

弊社がWebFLIS終了に際してDOD担当機関に問い合わせをしたところWebFLISに登録された全てのNSNはPUBLOG FLISにて閲覧・運用ができるとしている。但し大きく異なる点はWebFLISがWEB上にある検索エンジンでNSNやCAGE Codeを検索・閲覧できるのに対して、PUBLOG FLISは検索プログラムをダウンロードして運用する手法をとっている点である。この主な理由は新たに拡張する脅威に対するセキュリティ対策として米国政府系ユーザとの明確な分離にあることは間違いのないところである。

実際PUBLOG FLISを運用するとWebFLISで表示されたTIR(全登録品目)はまったく変わることがなく、むしろ公共FLISユーザを対象に運営されているために、多くの引出口が用意されており、大変便利で使いやすくなった。また特にDBにおいて大変重要なデータのカット・オフ・デイト(発行日)が常時リアルタイムで記載されており、装備品の識別更新に大変有効な点を挙げることができる。

PUBLOG FLISの特徴はNSNサーチとCAGEサーチにわかれているところであるが、それが相互に連携して自動入力されるので手間がかからない。また利用マニュアルも完備されているので初心者でも使いやすく、従来のWebFLISよりも機能や装備が充実しているといえよう。なお米国政府が関与する装備品は約800万種類のNSNからなるとされ、CAGE Codeの最新情報と相まっていつでもどこでも調査ができるすぐれたロジスティクス・ツールとなっている。

■NMCRL

NMCRLはNATOが編纂する装備品カタログのサービス名でNATO Master Catalogue of References for Logistics の略である。NATO担当機関によればNMCRLは米国のPUBLOG FLISを完全に抱合し、イギリス、フランス、ドイツなど28か国のすべてのNATO諸国とオーストラリアや韓国などのティアツ―とよばれる非NATO11か国の装備品が登録された約1830万件にも上る膨大なNSNが登録された世界最大の装備品情報データベースである。
 
NATOは2005年にNATOカタログ( NCS )としてNMCRLデータベースを構築し, 現在ではその最新版を世界中の政府機関および民間企業向けに提供する世界最大の装備品データベースとなっている。
 
世界各国では自国の装備システムの即応性維持のために可能な限りリアルタイムでまた保証された装備品情報の運用が求められている。ひとつでも不良情報があればそれが命取りになりかねないからである。
 
またコアリション( 同盟 )体制の下、その配備範囲はグローバル・サプライチェーンへと急速に拡大している。こういった世界のロジスティクス環境の変化に伴い、かねてから米国を中心として開発を重ねてきたNATOでは加盟国はもとより支援国をも含めたグローバルな装備品情報データベース化を推進してきた。
 
その結果現在では世界62カ国が参画した1830万件もの膨大で詳細な装備品情報の共通化に成功し、また2790万もの世界各国の政府や民間企業ユーザに対してウェブ版およびDVD版を通じて情報提供している。
 
わが国が要求する輸入装備品の納入検査における不良品や欠陥品扱いとする問題やMILスペック改版による代替品の枯渇問題をDODやNATOとの間で検討されてきたが、今後はNMCRLを採用することで輸入装備品にまつわる不良品や欠陥品あるいは間違い品問題を一層し世界標準の装備品取得ツールとして導入を図ることが検討されている。
 
なおこのたびのDODやNATO担当機関への調査でもNMCRLにはPUBLOG FLISが完全に内包されており、両者の共用性については全く問題ないことが明らかにされている。
 
NATOによるとNMCRLの概要は次の通り。(2016年1月現在)

●現在登録NSNは約1830万件。なおこれらは 各国のNCB( 国家類別局 )で登録されたものが掲載される。
●NCSの基本概念は米国FLIS情報と同じであり約800万件のすべての米国NSN情報が含まれる。
●メーカ部品数は3670万件またメーカ数は280万件が登録されている。
●現在のNMCRLの利用ユーザ数はなんと世界で2790万ユーザ。
●UNCCS( United Nations Common Coding System )のデータを取り込んでいる。
●なおNMCRLウェブ版( およびDVD版 )は年間契約( 有料 )で一般公開されており、NATO担当窓口に申し込めば誰でも利用可能。また弊社経由でも申し込むことが許されている。詳しくは弊社までお問い合わせください。
 
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