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2015年07月14日

【WebFLISからNMCRLへ】

NMCRL.png

―NMCRLはNATO版WebFLISである―

データクラフトは米国防総省(DOD)編纂のWebFLISの終了に伴いPUB LOG FLISを紹介したが、このほど行った調査からわが国ユーザはNATO版WebFLISであるNMCRLを使用することが望ましいことが分かった。以下はその詳報である。(DCメール 2015年7月15日 No.393)


■NMCRLとは何か。

データクラフトがWebFLIS終了に関してDOD担当機関に問い合わせをしたところWebFLISに登録された全てのNSNはNMCRLに登録済みであることがわかった。NMCRLはNATOが編纂するNATOカタログのサービス名でNATO Master Catalogue of References for Logisticsの略である。

またNATO担当機関によればNMCRLは米国のWebFLISを含むイギリス、フランス、ドイツなど28か国のすべてのNATO諸国とオーストラリアや韓国などT2(ティアツー)とよばれる11か国により登録された世界の約1830万件にも上る膨大な数の公式装備品番号(NSN)が登録された世界最大の装備品情報データベースである。


ここで改めてNMCRLについて紹介する。

http://www.nato.int/structur/AC/135/nmcrl/nmcrl_e/index.htm


NATOは2005年にNATOカタログ(NCS)としてNMCRLデータベースを構築し, 現在ではその最新版を世界中の政府機関および民間企業向けに提供する世界最大の装備品データベースとなっている。

世界各国では自国の装備システムの即応性維持のために可能な限りリアルタイムでまた保証された装備品情報の運用が求められている。ひとつでも不良情報があればそれが命取りになりかねないからである。

またコアリション(同盟)体制の下、その配備範囲はグローバル・サプライチェーンへと急速に拡大している。こういった世界のロジスティクス環境の変化に伴い、かねてから米国を中心として開発を重ねてきたNATOでは加盟国はもとより支援国をも含めたグローバルな装備品情報データベース化を推進してきた。

その結果現在では世界62カ国が参画した1830万件もの膨大で詳細な装備品情報の共通化に成功し、また2790万もの世界各国の政府や民間企業ユーザに対してウェブ版およびDVD版を通じて情報提供している。 

なかでもウェブ版であるNMCRL-WEBは迅速な情報を世界中のユーザに提供することでグローバルな装備品情報の瞬時取得が可能となり、世界280万にもおよぶメーカ(NCAGE)の3670万もの部品や装備品情報の代替品情報(Parts Number)やメーカ情報が取得できるようになっている。

データクラフトはかねてより研究会やセミナーを通してわが国が要求する輸入装備品が納入検査において不良品や欠陥品扱いされる問題やMILスペック改版による代替品の枯渇問題をDODやNATOと検討してきたが、今後はNMCRLウェブ版データベースを採用することでわが国の輸入装備品にまつわる不良品や欠陥品あるいは間違い品問題を一層し世界共通の装備品取得ツールとして導入を図ることが望ましいと考えている。

なおこのたびのDODやNATO担当機関への調査でもNMCRLウェブ版には米国政府のWebFLISがすべて含まれており両者の共用性については問題ないことが明らかにされている。

今やNCSは世界最大の装備品データベースとして世界62カ国(主要38カ国)、1830万件のNSN、3670万種類のメーカー品(Reference Parts Number)が収録されている。

このNCSの基本は米国のFLISであったが米国市場向けであることからNCSはまちがいなく世界最大のしかも参加各国が公認している装備品データベースである。

NCSやFLISなどロジスティクス情報の最大の目的は取得が迅速に行なわれることで装備品の欠落時間を短縮できることにあるが本当の価値とはNSNに取り込まれた各種要素データにより、在庫の確認、保存期間の識別、交換・代用可能な供給物品の識別、利用可能な代用品の最大限使用、価格情報の提供により防衛予算の最適化、武器システムのライフ・サイクルを拡張し、設計、製造および修理プロセスのためのサイクル・タイムの改善、機密情報を保護し多数の調達業者の登録、重複物品の識別援助などが最適に行なえることにある。

NATOのデータベースが最も重要で最も遠大なメリットは装備品市場が世界のNATO諸国ならびにアジア地域の諸国を巻き込んで多極化するなかで装備品の取得要求から保守、そして廃棄に至るまでのライフ・サイクル管理を提供することが可能となる点にある。

なおDODによればNSNの総合コスト概念はNATO諸国や国連( UN )における物品取得のオプティマム・ツール(最適ツール)として世界最大の利用者を抱えるまでに膨れ上がっているという。

LCC(ライフサイクル・コスト)概念やPBLを掲げるわが国防衛装備品行政にとって本格的なNSNの運用は避けては通れないデファクト・スタンダードとなっている。

NATOによるとNMCRLウェブ版の概要は次の通り。

●現在登録NSNは約1830万件。なおこれらは 各国のNCB(国家類別局)で登録されたものが掲載される。

●NCSの基本概念は米国FLIS情報と同じであり約700万件のすべての米国NSN情報が含まれる。

●メーカ部品(Reference Parts番号)は3670万件またメーカ数(NCAGE)は280万件。

●現在のNMCRLLユーザ数は世界で2790万ユーザ。

●UNCCS (United Nations Common Coding System)のデータを取り込む。

●NMCRLウェブ版(およびDVD版)は年間契約(有料)で直接NATO担当窓口に申し込めば誰でも利用可能。

注1:DVD版はWEB環境が不十分なユーザ向けに用意されデータ更新は1カ月毎とWEB版に比べ遅くなっている。
注2:NMCRLにはわが国の企業が述べ1万社掲載され約8万2千件の製品情報(パーツ番号など)が登録されているがこれらは世界各国のNCBで登録された情報が掲載されたものでわが国で登録されたものではない。

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