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2014年07月15日

【わが国の同盟強化と実効性】

ーグローバル・ロジスティクスへの参入ー


わが国政府が集団的自衛権の限定的な行使を容認したことで、日米同盟がより一層強固なものになることが確実になった。そしてこの程行われた日米防衛相会談では装備・技術協力においても強化することで一致した。いよいよ後方支援(ロジスティクス)の分野においても日米のシームレスな関係強化が実現する見通しとなった。そこでかねてより「わが国のグローバル・ロジスティクス」を標榜する筆者はこの機を逃すことなく米国が主導する世界標準の装備品体系への参入・転換を果たしてもらいたいと願うばかりである。同盟国との装備品体系の共通化無くしてその実効性はないものと覚悟すべきである。米国がそれを求めてくることは必至であるがそれは米国こそが世界に向けてそれを主導している張本人なのだからである。(DCメール 2014年7月15日 No.369)



■同盟強化とグローバル・ロジスティクスへの参入

読者は米国が主導しNATO諸国が推進する装備品番号体系(これをNSN制度という)における「国別コード」をご存じであろうか。グローバル・ロジスティクスの分野ではわが国の国別コードは「-30」(ダッシュ30と呼ぶ)である。しかし残念ながら世の中に「-30」を付けた装備品は存在しない。それはいままでわが国が法的に装備品輸出を制限してきたためにこの世界標準の装備品体系を採用してこなかったからである。しかし新たな防衛装備移転3原則への転換により装備品共通化の道が開けたのである。

例えばこういうことである。わが国の同盟国である米国とそのNATO諸国および準同盟国となろうオーストラリアなどのNATO援助国では他国からの装備品をNSN登録品でない限り採用しない。否、正確に言えば採用できない。これら諸国間では共通化された体系を採用することが義務付けされておりそれにより即応性、効果的運用性、コストダウンなどが図られている。このシステムはNATO装備品システム(NCSという)と呼ばれもともと米国が採用していたFLISをNATO諸国を中心に現在まで38か国に拡張させたもので1700万を超える膨大な装備品データベースとなっているのである。


そしてこれらの国々ではNSN登録されていない装備品を必要とする場合は使用する国が自ら自国品として登録する策を用いなければならないとされている。事実このNCSにわが国装備品と目される8万2千件もの装備品が登録されているがこれらは米国や英国など27カ国がわが国の代わりに登録している言わば代替国装備品となっている。もはやこのような他国に依存する体制は早期に改めるべき時に来ている。


ところで読者は何故今NCSなのかと言う疑問があるのかもしれない。NATOとの協力関係は第1次安倍内閣の2007年にわが国の首相としてはじめて表明して以来のことで、さらに今年に入って2度目の訪問で更なる協力体制が強化された。ロジスティクスの観点からいえばわが国は米国だけとの関係を強化するのではなく米国自らが推奨するNATOを通じて世界の国々との協力関係を築いていくことが大変重要であることを改めて汲み取る必要がある。


わが国がNSN登録制度に移行するためにはまずはNATOの承認を受け、Tier2(ティアツー)国とならなければならないが、世界各国との装備品体制の「共通化」が不可避であるという意識改革が何よりも必要である。そしてわが国の装備品輸出国も同様に他国との相互運用性やコスト削減という重要課題に直面しておりNATOによるNCS装備品体制の採用とNSNの取得という洗礼を受けていることを強く認識しておく必要がある。

【関連記事】

ーTier2への道ー

http://www.datacraft-news.com/ontopics/176.html


ー世界共通の装備品識別システムー

http://www.datacraft-news.com/ontopics/332.html


ーF-35装備品の全てにNSNをー

http://www.datacraft-news.com/ontopics/321.html


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