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2013年07月15日

【認定品と準拠品】

-最近流行の2つのMIL品の違い-
MILスペック認定品と準拠品(あるいは相当品)の違いをはっきりさせる必要がある。認定品は米国防省(DOD)がじかに認定品を登録させ例えばQPDのようなデータベースで世界中の装備品ユーザに通知するいわゆる登録品である。一方MILスペック準拠品あるいはMILスペック相当品はMIL-STD-810等の試験規格に準拠した装備品あるいは民間製品を指している。この2つは志向や目的が異なるためにユーザはその違いをはっきり理解しておく必要がある。今回は認定品と準拠品の違いを紹介する。


MIL準拠品ブームの到来か。

まずはメーカのMIL準拠品の宣伝文句を紹介する。なおここでは単に事例としてそのまま紹介するものであり内容や表現について論ずるものではない。

 
■厳密かつ過酷な仕様として有名なMIL規格に準拠した耐久性・ 防滴性・防塵性を備えており通常の用途ではまず壊れることがないといっても過言ではない堅牢仕様となっている。
温度試験    ・動作温度: -20℃ ~60℃・非動作時: -30℃ ~70℃
温度衝撃試験  ・急激な温度変化に耐えることができること
湿度試験    ・暖かく高湿度な環境に耐えることができる
衝撃試験    ・衝撃に対して耐えることができること
落下試験    ・鉄に1.52mから26回落下に耐える
振動試験    ・振動に対して耐えることができること
耐久性に優れ米国の軍用規格のテストでその強度が実証されたボディ、粉体塗装の底部、防水設計キーボ ードなど、全体をスタイリッシュに強化。

 
■ヘビーデューティなGPS内蔵PDA。厳密かつ過酷な仕様として有名なMIL規格に準拠した耐久性・防滴性・防塵性を備えており、通常の用途ではまず壊れることがないといっても過言ではない堅牢仕様となっている。

 

■携帯端末の軍事利用。米軍の軍事規格MIL-STD-810に適合させることによってタフさをアピールする民間用携帯はいくつか出ている。米国向けの携帯電話もMIL-STD-810 Rev.Fに準拠している。
動作温度:-51℃から+49℃
保存温度:-51℃から+71℃
耐水性( 防沫、防滴であり水中使用は想定外 )
クラッシュ・テスト 75gで8から13msec
極地から熱砂の地までどこでも動作し、軍人が乱暴に投げ飛ばしながら輸送しても壊れない仕様を要求している。

 

■米国国防総省の軍事品に採用。当社技術実験室において下記の試験を実施、試験後も正常動作することを確認。( 注 )本試験は記載の条件下における商品の無破損、無故障を保証するものではない。
自由落下試験( 非動作時:合板 )各面・辺・角の計26方向に対し、120cm落下、90cm落下を実施。【耐振動試験】( 非動作時 ) 前後・左右・上下に1時間かけて振動を与えつづける。持ち運び及び車での移動時の振動を想定20Hz~1000Hz:0.04G2/Hz 1000Hz~2000Hz:-6dB/オクターブ1時間/軸

 


規格ユーザは自社の装備品あるいは製品の特性に合わせて試験方法を選択することが出来る。また日本国内には準拠した複数の民間試験施設があり、ここで基準をクリアした製品はMIL-STD-810GのXXX試験に準拠したことを製品仕様書や説明書に記載してその製品の信頼性をアピールしている。

 

もともとこの規格は防衛装備品あるいは民間製品の環境応力( ストレス )の影響を検討するために用意されたもので具体的には調達契約や工学的な試験方法について成果( パフォーマンス )に基づいた環境調製( テイラード )のプロセスについて言及している。体系的にみて様々な環境要因は装備品の耐用年数にわたって特定の有害な影響を考慮しなければならず防衛や民間用に開発された全ての装備品や製品に適用される調達や資材の変更およびユーザとの相互運用性のニーズを満たす共同開発の機会を与えている。


【解説】

MIL-STD-810は防衛装備品のための温度・湿度、高度、振動、衝撃など過酷な環境条件に即した試験室による試験規格であるが昔から民間製品の高信頼性化のためにも大いに役立ってきた。MIL-STD-810は車載用機器やノートパソコンなどヘビーデューティ商品として耐衝撃性や耐振動性強化をうたってきた。今日、民間製品は益々軽・短・薄への画期的な技術革新も手伝ってさらなる屋外利用( フィールド・ユース )に多様化している。そこで堅牢さを売り物にする多種多様な民間製品がこぞってMIL準拠品としてMIL-STD-810の研究に余念が無い。弊社にもMIL準拠品を研究するメーカからの問い合わせが多い。

 

DODの監査によるMILスペック認定品

まず認定とは取得に先立ち取得とは無関係に行なわれるプロセスのことである。その目的は装備品がMILスペックの要求に一致することが試験によって確証されるか認定品の製造業者の能力を証明するかどちらかである。認定された製品は認定品目表(QPL)に掲載され監査プロセスによって承認された業者は認定業者表(QML)に掲載される。これらの記録は認定品目データベース(QPD)で電子的にDODに保管される。

認定品目表(QPL)は安定した設計や構成を備えた装備品に使用されそれによって高額な試験コストを招かずに個々の製品に認定を与えることになるからだ。認定はさらに余分の初回品試験の必要性をなくすことにより試験コストを縮小することも可能となる。試験が非常に高価で長い時間をとる場合それは特に重要である。要するに認定とは計画実行する危険と品質保証の関係を最適化し実行可能な供給源からの信頼できる製品の連続的な有効性によって準備を改善し業者の取得に先立つ能力の証拠用の要求を確立し標準化し要求および連続的な装備品の品質改良への適合を保証するべき供給源との長期的な関係を築くことを意味する。

MILスペックの認定制度は製造業者が自らの製品やプロセス、材料を米軍による性能、品質、信頼性などの要求を満たすことを実証するプロセスである。DODの品質支援システムと管理職員は認定の場所および業務を保証するために製造業者の施設の現場監査を行う。これは文書やデータ、観測プロセスや試験を検証し納入材料から製品出荷までの実際の製造フローを検証し職員とのインタフェースによって達成される。


認定要求は適用されるMILスペックと規格で規定されている。認定が正常に実行された後製造業者の製品、プロセスおよび材料は該当する認定品目表(QPL)または認定業者表(QML)に記載される。


このアプローチは基本的に製造業者が管理され技術的に高品位の製品を生産し政府から最少の監督で "世界的な"製造業者として競争するために十分に健全であることを検証することにある。製造業者はプロセス管理および継続的な改善により高品質の製品を製造することが最善の利益になることを理解しなければならない。企業はもはやスペックを満たすだけでは世界市場で生き残ることはできない。上記のすべての特筆された取り組みは認定プログラムに最適な実践と柔軟性を注入するようなツールとして採用されている。


製品を実証する認定はMIL品としての性能、品質、信頼性の要求を満たすことにある。 QPLとQMLは多数の世界中のユーザに送付され結果的に製品は世界中の可視性を取得することになる。製品の全体的な品質と信頼性と同様に歩留まりを向上させることができる。信頼性の高い製品の製造業者として世界的に認識される。すべてのユーザ認定試験が低減される。顧客や政府機関の信頼を高めることができるのである。

【解説】

防衛装備品にとってMILスペック認定品は最強である。DODが推進するこのMILスペック認定品制度は厳しい環境の下で高信頼性を発揮する部品や材料を予め登録しておき必要なときは即時に使用できるように準備している。だから当然その審査は厳しい。申請メーカは製品だけではなくその製造プロセスや材料も吟味されなによりもメーカ自身が質されることになる。しかしそれだけにメーカにとっては垂涎の的である。なにしろ世界中のユーザが認定品の使用を義務付けられているからだ。わが国のメーカは高品質な製品を製造することに長けておりその意味においても今わが国でもMIL認定取得活動が静かに始まっており弊社への問い合わせも増えている。


 


       
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