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2013年04月12日

【MILスペックのNOTICEについて】 

ーその種類と役割-

さて今回はMILスペック・ユーザからの申し出によりMILスペックを複雑にしているNotice(通知文書)について解説をしよう。MILスペックが変更される場合、REVISION(改版)やAMENDMENT(修正)あるいはSUPPLEMENT(追加)そして各種NOTICE(通知)など種々雑多な文書が発行される。当然それぞれの文書には異なった役割がある。MILスペックに関わるNOTICEの定義としてはMILスペック等が有効として確認されたり新規設計向けに無効になりまた再び有効になり廃止されまた復帰するような場合に発行される「通知」文書のことである。 そこで今回はMILスペックを複雑にするこれらNOTICEについてその種類と役割を紹介する。また誤解を招きやすいValidation Noticeは事例を挙げて注意を促す。 (DCメール 2013年4月15日 No.339)


■MILスペックにおけるNOTICE(通知文書)の種類とその役割

まずはCANCEL NOTICE(廃止通知)について紹介しよう。正式にはCANCELLATION NOTICEすなわち現存するMILスペックを廃止する通知のことである。MILスペックが廃止される場合には必ず発行される通知文書である。CANCELLATION NOTICEは現存するMILスペック等がもはや要求されない場合に発行される。CANCELLATION NOTICEは必要に応じて代替情報や識別情報を掲載しなければならない。そこでCANCELLATION NOTICEには大別して2種類ある。それは代替スペック等がある場合とない場合のことである。MILスペックが民間スペック例えばSAE-AMSなどに代替されるケースがある。またスペックがMIL-PRFとして代替されるケースもある。代替が無く廃止されるスペックも数多くある。これらのMILスペックによって製造された物品は製造が中止されるために入手が困難となり弊社では米国防総省(DOD)に対してこういった取得・調達に関する問い合わせをおこなっている。


■つぎにINACTIVE FOR NEW DESIGN NOTICE(無効通知)について紹介する。INACTIVE NOTICEとはある品目やプロセスが新規設計向けの使用に禁止され、既存の組み立てや装置にのみに用いることを指示するものである。この場合の品目やプロセスは、同じ契約の既存の設計や、また将来の契約で既存の装置やシステム用の組み立てで既存設計での新規の組み立てや装置には使用可能となる。新規設計用の代替文書はその適用が可能になると通知され、異なるスペック番号を持つ。

■いちどINACTIVE NOTICEが発行されたあとREACTIVATION NOTICE(再有効通知)が発行される場合がある。これはINACTIVATIONされたMILスペックがふたたび有効活用される場合がありREACTIVATE NOTICEといわれる。REACTIVATION NOTICEはINACTIVE(無効)NOTICEが再び有効スペックになった通知である。この結果REACTIVATION NOTICEが発行されたスペックは再び新規設計や取得用として利用可能となる。

■またキャンセルされたスペックが復帰するREINSTATEMENT NOTICE(復帰通知)を紹介する。これはCANCELLATIONされたスペックが再び「復帰」する場合である。その際に通知されるのがREINSTATEMENT NOTICEである。REINSTATEMENT(復帰)NOTICEは、CANCELED(廃止)MILスペック等がふたたび復帰したことを通知するものである。この結果、ふたたび調達・取得スペックとして利用可能となる。


■最後に定期的な見直しの結果有効であることを通知したVALIDATION NOTICE(有効通知)を紹介しよう。VALIDATION NOTICEはMILスペック等が技術的に変更無く利用可能であることを確認する通知である。このVALIDATION NOTICEは、MILスペック等がDODの取得・標準化政策に準拠しているかどうかを確認するために、5年ごとに現存MILスペック等の見直しを図るものとされている。VALIDATIONされたMILスペック等は技術的な変更無く、新規取得あるいは調達向けに利用可能であることを証したものと受け取ることができる。変更が無い通知も重要な通知である。ところでこのVALIDATION NOTICEを誤解してMILスペックを運用しているケースが後を立たない。そこで以下のような事例を紹介するので参考にして欲しい。


■VALIDATION NOTICEの特長

MILスペック・ユーザの多くは VALIDATION NOTICE について誤解している部分があるようである。例えばINACTIVE スペックに VALIDATION NOTICE が発行された場合、スペックはACTIVE に変更されるのだと言うケースである。このケースはMILスペック・ユーザに誤解を与える表記となっており改めてDODにその見解を質した。

 

例えば今から5年前に次のような問題が生じた。当時MIL-DTL-6070 はC版において INACTIVATION された。INACTIVATION とはそのスペックが従来からの設計や継続契約には利用可能であるが、新しい設計向けには無効であり使ってはならないとするDODの方針である。

 

MIL-DTL-6070 はC版が発行されたあと VALIDATION NOTICE が2度にわたり発行されており、当時のASSISTでの STATUS はACTIVE となっていた。そこでユーザ間ではVALIDATION NOTICE が発行されたことでこのスペックがINACTIVE から ACTIVE になったかということが問題視された。このスペックを利用するユーザにとっては大きな問題であった。そこで弊社はDODにその見解を質した。

 


質問は VALIDATION NOTICE が発行されたことで INACTIVE が ACTIVE に変更されたのかを問いただしたところ、DODからMIL-DTL-6070 は現在(当時)においても INACTIVE である。VALIDATION NOTICE は単にスペックが取得業務に使用できることを周知する通知であるとの回答があった。 

結局DODの当スペック担当者の弁によればVALIDATION は単に管理情報の周知に過ぎずスペックの STATUS はそれによりかわるものではなく、現在(当時)でも MIL-DTL-6070 は INACTIVE であることを回答してきたのである。


そこで問題はASSIST 上における表記が間違っており誤用される可能性があることを示唆したところ至急調整し訂正するとともに表示の誤りについて指摘いただき感謝する旨の回答を得た。

 


実は当該調査において後日談がある。それはこの調査直後DODは新たな3つ目のValidation Noticeを発行して明確にInactiveであることを公示したのである。なお当該スペックは現在においてもInactiveの状態である。
 

弊社はMILスペックの誤記については言うまでもなく、このような閲覧サイトにおける表記ミスも見過ごすことはできないとしている。またDODもMILスペックの信頼性を維持するためにも外部からの助言や申し出を快く受ける体制を敷いている。これにより世界中のスペック・ユーザが安心して利用する環境を維持する必要があるからである。


そこで今後ともMILスペック・ユーザはおかしいと思ったら必ず確認をすることが望ましいし、またそのためにも日頃からMILスペックに対する研鑽を積むことことが求められているのである。


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