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2012年12月18日

【WebFLIS・NMCRL】

-米国とNATOの公式装備代替品データベース -

米国はリアルタイムなWebFLISを利用して枯渇した部品の代替品を見つけ出している。しかしその裏側では代替品をWebFLISで検索できるようにするためにDODでは多くのスペシャリストが活躍しているのである。そこでここではそのバックグラウンド・ストーリーを紹介する。なおWebFLISはわが国でも防衛省をはじめ多くのユーザが利用している。またNATO(北大西洋条約機構)は2005年にNATO装備品システム(NCS)としてNMCRLデータベースを構築したがその後ウェブ版を強化し現在ではその最新版準リアルタイムな(Web2.0版)を世界の政府機関および民間企業向けに提供する世界最大の装備品データベースとなっている。なお弊社ではDODとNATOの了解によりこれらのデータベースの紹介を行なっている。


■WebFLISによる代替品調査

http://www.dlis.dla.mil/webflis/pub/pub_search.aspx

-DODの枯渇部品対策 -

現在米軍ではWebFLISを利用して枯渇した部品の代替品を見つけ出している。しかしその裏側では代替品をWebFLISで検索できるようにするためにDODでは多くのスペシャリストが活躍しているのである。そこでここではそのバックグラウンド・ストーリーを紹介する。なおWebFLISはわが国でも防衛省をはじめ多くのユーザが利用している。枯渇部品の代替品を探すことはわが国においても重要な作業のひとつとなっているからである。

米軍では通常稼動中のシステムや装置が故障した場合、米軍部品供給センタ(DSCC)に部品の交換を請求をすることができる。そこでWebFLISを含め米軍のロジスティクス情報システムがどのように機能しているか例を挙げて説明しよう。

請求元は某米陸軍の車両部隊である。ある戦車の部品が壊れたために交換部品を必要とした。しかし不運にもその部品が旧式であったために、枯渇していてDSCCのシステムはその請求をアイテム・マネージャ(品目管理責任者)に委ねることとした。そこでアイテム・マネージャは調査を行い、その結果、この部品は旧式技術のためにどのメーカも製造していないことがわかった。

そこで改めて車両スペシャリストに代替品を探すように依頼した。米軍ロジスティクスシステムにとって、戦闘用装備品は常に最優先事項であるからである。

アイテム・マネージャとスペシャリストは削減品目(IR)データベースを検索した結果、その互換品があることがわかった。そして請求元にその旨を報告し、代替品の採用が可能かどうかを検討依頼した。請求元ではその代替品が運用上の問題があるかどうかを評価し採用を決定した。その結果、改めて請求元はその代替品の請求を起こすこととした。

しかしこの事例で残念なことは、代替品を見つけるために多くの時間を費やしたことにある。戦闘用装備品の場合、時間的に遅れることの致命傷は誰もが知っている。そこでアイテム・マネージャは、請求元が代替品採用を決定すると直ちにこの代替品が採用されたことを正式に通達し、今後も同様な問題が生じても短時間で供給できるように配備したのである。

どのようにしてIRチームは代替品を見つけたのだろうか。それはまずIRチームは旧式部品と同じナショナル物品番号(NSN)の部品があるかを調査した。通常、部品メーカは部品を生産中止する場合、数種類の同等部品をもっている場合があるからである。IRチームは常に総合的に削減品目(IR)について研究しており、できる限り代替品を探し出すことを研究している。1つの互換品がいくつかの旧式部品に適用できるようにしているからである。

このIRデータベースはIRWSCと呼ばれるWEBデータベースで、米軍の部品管理者や現場のユーザによって参照可能となっている。これら部品管理者はユーザに代替提案をする調整役でもある。そこでIRチームはこれら管理者やユーザ向けに電子メールを配信して調査依頼するのである。またユーザは自らのシステムや装置部品が代替可能かを調査し、その結果を知らせるのである。

そのうえIRチームはもうひとつ重要な仕事がある。それはこの代替品情報をWebFLISに反映させるべく後方支援庁(DLA)に報告してデータ更新をさせることにある。これにより代替品はWebFLISに登録され、例えば米海軍のイージズ艦や空軍の航空機の修理部品の互換品として即時活用されることになるのである。

このようにIRチームは常にFSC(連邦供給分類)やINC(品目名コード)を通してすべての装備品の見直しを図り、NSN情報をふるいにかけている。そして重複が見つかるとこれらのNSNは上記のようなIRプロセスにより関連付けされIRデータベースで管理されることになる。これらは米軍全体で行われ、だれもがWebFLISを通じて利用できるようになっている。

IRチームは他方メーカや契約業者と接触して、これら廃止部品情報の収集に努めている。そしてこれらの情報が発見される否や、IRチームは調査して代替品や互換品を探し出すのである。このようにIRプロセスは旧式部品がもたらす弊害を排除するものとして大いに活用されており、NSN情報に関連づけられることで多くのWebFLIS利用者に代替品検索の可能性を与えているのである。

ここで紹介したようなDODにおける枯渇部品対策はわが国においても大変興味ある内容である。枯渇部品対策や代替品調査はわが国の装備品メーカにとってもユーザにとっても重要な案件である。


■NMCRL(NATO版FLIS)の最新WEB2.0の評価

http://www.nato.int/structur/ac/135/main/links/nmcrl_plus-f.htm


ーNMCRL(WEB2.0)の実力と実績ー

NATO(北大西洋条約機構)は2005年にNATO装備品システム(NCS)としてNMCRLデータベースを構築したがその後ウェブ版を強化し現在ではその最新版(Web2.0版)を世界中の政府機関および民間企業向けに提供する世界最大の装備品データベースとなっている。弊社ではNATOの協力を得てわが国の輸入装備品情報を強化するためにNMCRL(ウェブ版)の鋭意導入を図って行きたいと考える。なおNMCRL(ウェブ版)の詳細については弊社まで問い合わせください。

■NMCRL(ウェブ版)の実力と実績

世界各国では自国の装備システムの即応性維持のために可能な限りリアルタイムでまた保証された装備品情報の運用が求められている。ひとつでも不良情報があればそれが命取りになりかねないからである。またコアリション体制の下、その配備範囲はグローバル・サプライチェーンへと急速に拡大している。こういった世界のロジスティクス環境の変化に伴い、かねてから米国を中心として開発を重ねてきたNATOでは加盟国はもとより支援国をも含めたグローバルな装備品情報データベース化を推進してきた。その結果現在では世界60カ国が参画した1700万件もの膨大で詳細な装備品情報の共通化に成功し、また2700万もの世界各国の政府や民間企業ユーザに対してウェブ版およびDVD版を通じて情報提供している。(NMCRLとはNATO Master Cross Reference Listの略である。) 

なかでもウェブ版であるNMCRL-WEB2.0は準リアルタイム(注1)情報を世界中のユーザに提供することでグローバルな装備品情報の瞬時取得が可能となり、世界240万にもおよぶメーカ(NCAGE)の3500万もの部品や装備品情報の代替品情報(Parts Number)やメーカ情報が取得できるようになっている。(注1)Updated by every seven(7) days

弊社では、かねてよりわが国の要求(Requisition)する輸入装備品が納入検査において不良品や欠陥品扱いされる問題やMILスペック改版による代替品の枯渇問題をDODやNATOと検討してきたが、今後はNMCRLウェブ版データベースを採用することでわが国の輸入装備品にまつわる不良品や欠陥品あるいは間違い品問題を一層し世界共通の装備品取得ツールとして導入を図ることが望ましいと考えている。なお、NMCRLウェブ版には米国政府のWebFLISが含まれており両者の共用性についてはまったく問題ないことがNATOの説明で明らかにされている。

■ところでNATO装備品システム(NCS)とは何か。

今やNCS は世界最大の装備品データベースとして世界60カ国(主要38カ国)、1700万件のNSN、3500万種類のメーカー品(Reference Parts Number)が収録されている。このNCSの基本は米国のFLISであるがFLISの場合は米国市場向けであることからNCSはまちがいなく世界最大のしかも参加各国が公認している装備品データベースである。

NCSやFLISなどロジスティクス情報の最大の目的は取得が迅速に行なわれることで装備品の欠落時間を短縮できることにあるが本当の価値とはNSNに取り込まれた各種要素データにより、在庫の確認、保存期間の識別、交換・代用可能な供給物品の識別、利用可能な代用品の最大限使用、価格情報の提供により防衛予算の最適化、武器システムのライフ・サイクルを拡張し、設計、製造および修理プロセスのためのサイクル・タイムの改善、機密情報を保護し多数の調達業者の登録、重複物品の識別援助などが最適に行なえることにある。NATOのデータベースが最も重要で最も遠大なメリットは装備品市場が世界のNATO諸国ならびにアジア地域の諸国を巻き込んで多極化するなかで装備品の取得要求から保守、そして廃棄に至るまでのライフ・サイクル管理を提供することが可能となる点にある。

なおDODによればNSNの総合コスト概念はNATO諸国や国連( UN )における物品取得のオプティマム・ツールとして世界最大の利用者を抱えるまでに膨れ上がっているという。LCC(ライフサイクル・コスト)概念やPBLを掲げるわが国防衛装備品行政にとって本格的なNSNの運用は避けては通れないデファクト・スタンダードとなっている。

■NMCRLウェブ版の概要

NATOによるNMCRLウェブ版は米国のWebFLIS情報をそのまま採用しているためその情報量はWebFLISの2倍以上となっている。NMCRLウェブ版の概要は次の通りである。

●現在登録NSNは約1700万件。なおこれらは 各国のNCBで登録されたものが掲載される。

●基本概念は米国FLIS情報と同じであり、また約700万件のFLIS情報が含まれる。

●メーカ部品(Reference Parts番号)は3500万件またメーカ数(NCAGE)は240万件。

●現在のNMCRLユーザ数は世界で2700万ユーザ。

●UNCCS (United Nations Common Coding System)のデータを取り込む。

●NMCRLウェブ版は年間契約性(有料)で誰でも利用可能。

注1:DVD版はWEB環境が不十分なユーザ向けに用意されデータ更新は1カ月となっている。
注2:NMCRLウェブ版にはわが国の企業が1万社近く掲載され約7万件の製品情報(パーツ番号など)が登録されているがこれらは世界各国のNCBで登録された情報が掲載されたものでわが国のNCBで登録されたものではない。


■WebFLISとNMCRLについてのお問い合わせは弊社までお寄せください。


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