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2012年11月15日

【ニュース解説―米中ロジスティクス協定交渉】

―グローバル化を視野に両国関係を強化―
2012年10月12日付米国防総省機関紙AFPS(アメリカン・フォーシズ・プレス・サービス)は米国政府が来年初頭に中国政府高官チームをワシントンに招待し、二国間のロジスティクス協定交渉を行なう計画であることを明らかにした。わが国にとっては狐につままれたような話であるが東アジア政策を重要課題としなかでも対中関係の深化を探るオバマ政権によるこのロジスティクス協定の意味するものと今の中国が目指すロジスティクス政策の課題に迫る。(DCメール 2012年11月15日 No.329)


■米中ロジスティクス協定交渉


2012年10月12日付米国防総省機関紙AFPS(アメリカン・フォーシズ・プレス・サービス)は米国と中国の当局者がともに燃料を含め、海賊対処や人道支援、災害救助などの任務におけるロジスティクス資源の共有化のための協議に入ることを伝えた。

また米国政府は中国政府高官チームをこの史上初の可能性を協議するために来年初頭にワシントンに招待し、二国間のロジスティクス協定交渉を計画していることを明らかにした。協定された場合米国と中国は燃料、食料など相互の共同作業を支援する物資さらには船舶部品などを共有することができるようになる。


これは今年の10月にオーストラリア、パースで行われた第41回PASOLSロジスティクスセミナーの際に米国から提案されたものである。PASOLSはわが国を含むアジア太平洋・インド洋諸国における上級ロジスティシャン、国家安全保障担当官などによるセミナーで同海域の国々が情報を交換するために毎年開催し、二国間問題や多国間協議により緊密な地域協力を奨励するものとなっている。今回中国代表団を率いた中国海軍少将は、「今後の議論と協力のために良い分野となる。」としてこの米国からの提案を評価している。このような提案は過去にも浮上していたが両国の緊張関係により前進しなかった。


米国高官によれば米国と中国の関係において「今が良いタイミングかもしれない」とのことで両国はその軍事的な関係強化の方法を模索始めている。事実パネッタ米国防長官とPACOM海軍司令官は最近中国を訪問しより緊密な協力と連携を促進している。


米国は中国とのロジスティクス協力がその関係構築のための完全なフォーラムを提供し中国が成長しているグローバルな役割を想定して、特にたとえば海賊対処に加えて中国は他国で医療サービスを展開するための定期的な海軍病院船やピースアーク〔平和の方舟〕を配備している。


「彼らは国内防衛に特化した軍から出発し、その海域に押し出し始め、そして地域全体の安全保障の役割を引き受けるようになり、ロジスティクス・チェーンが張り詰めつつあることがわかっている」と米高官は語っている。


そして「PASOLSや米国との潜在的なロジスティクスの合意は中国にとって地域パートナーとの経験から学ぶ機会を提供するものである。米国は資源を共有するために彼らと協定し我々が注力するためのこれはチャンスである。」と述べている。 


「この潜在的な合意は米中両国における他の軍事協力の基盤となり両国の国家安全保障戦略を支援することになるだろう。当然ながら両軍は地域の安全保障に関心があり両国もまた興味を持っている。地域通過の自由や共有化はどこに行くにも共通の利益が多数ある。」


「しかしこれは我々が手を伸ばしていること少なくともロジスティクスの観点からは今回が初めてで彼らはこれらのアイデアにたいへん受容しておりまったく画期的なこととなろう。 こうした動きはロジスティクスにおける重要なビルディング•ブロックと呼ばれ共にパートナーが地域の国々を可能にしより応対できるコラボレーションは効果的に自然災害やその他の偶発事象に備えることが出来る。」と語っている。


【ニュース解説】

今回の米中によるロジスティクス協定締結への歩み寄りは中国高官も発言しているようにお互いの存在を改めて確認する上で望ましいエリアと考えているようだ。これはPASOLSはもとよりPACS(注)においても長い間中国はオブザーバーとしてNCS加盟研究をして来た。NATOとりわけ米国は中国の正式加盟を歓迎していただけに今回の2国間ロジスティクス協議は大きな進展が望まれている。
注:NCSの理解と運用を推進させる太平洋諸国フォーラム


この中国はPACSに10年以上もオブザーバーとして参加してており、2002年には自国の装備品カタログ(CCMM)とNCS(NATO装備品カタログ)を比較し導入に難点があるために躊躇する時期があった。しかし2006年になって中国からPACSに完全復帰するとの報告があり、その後AC/135(注)によれば中国はNCS加盟を仄めかしその準備に傾注していると言われてきた。特に昨年AC/135は中国の加盟準備を次のように伝えてきている。
注:NATOにおけるNCS管理委員会


「中国は4つのステップでそのNCSの実装計画を推進している:それは先ず50名からなる専門家によるNCS規格を翻訳し、次にティア ワン(T1)スポンサー加盟につながる計画を確立し自らのCCMM装備品カタログのソフトウェアを実装しNCSシステムに現在のシステムを統合しそして最後に自らのCCMMデータを組織化するというものである。」


過去ティアツー(T2)加盟国の韓国によればNCS加盟に向けて中国を教育してきたと述べている。


しかしながら中国はいまだNCS加盟を果たしてはいなく、またわが国のようなT1にも属してはいない。NCS加盟に積極的な理由としてT1はもとよりT2を早期に獲得する
ことで国内産業の育成や廉価な代替品をNATO加盟国や世界市場に供給する狙いではないかと推測されている。


ちなみに韓国の場合1997年にT1に加盟してから2005年にT2加盟を果たすまで8年かかったとされているが、もしAC/135の言う通りであるならば中国はT1加盟の前からすでにT2加盟の準備を進めているとも受け取れ、T1加盟後T2加盟を果たす可能性がありすでにT1であるわが国を完全に凌駕するものと思わざるを得ない。


しかしながら中国の欧米装備品市場に対する10年越しの活動と熱意とは裏腹に何かにつけて不良品や粗悪品と市場からは揶揄される中国製品である。今回の米中ロジスティクス協定交渉はこういった米中の思惑と利点が絡み合った点を見逃すことはできないが、わが国は決して翻弄されることなくまずはしっかりとした意思を持ってNCSへのT2加盟表明を行なうことがわが国産業界への強力な支援政策となりまた米国をはじめとする諸外国からの好意的な評価につながるものと期待されている。

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