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2012年10月31日

【コネクテッド・フォース・イニシアティブ(CFI)】

―いよいよ始まるNATOロジスティクス共同作業―

北大西洋条約機構(NATO)のロジスティクス部門AC/135からの最新ニュースレターが届いた。それによるとNATOのスマート防衛構想はCFI(コネクテッド・フォース・イニシアティブ)すなわち同盟軍構想ともいうべき新しい方針の下にわが国などパートナー諸国をも含めた次世代防衛構想(これをスマート防衛と呼ぶ)を立ち上げた。これは今年の5月に開催されたNATOシカゴ・サミットで同盟国はもとよりパートナー諸国ともより緊密な関係をもち共同作業(ワーク・ストランド)のための具体的なアクションプランに入るとされるものである。そこで今回はこの記事を紹介しながらロジスティクスの立場からNATOとわが国との関わりについて解説する。 ( DCメール 2012年11月1日 No.328)


■NATOスマート防衛構想とは


NATOのテーマとも言うべきこれからの使命となるNATOスマート防衛(スマート・ディフェンス)についてはおそらく聞いたことがあるはずである。このスマート防衛構想は今までのところ理論段階がほとんどであるが、2012年5月に開催されたNATOシカゴ•サミットで同盟国は積極的にその原則を改良し結実するためのアクションプランを用意し探求するものとしている。


スマート防衛とはNATOにとって重要な能力の領域に基づいており、特に2010年のリスボン首脳会議で設立されたものとしては弾道ミサイル防衛、情報、監視、偵察、即応性の維持、訓練と軍の準備、効果的な関わりと軍擁護である。


スマート防衛の目的遂行のためNATOの同盟国はNATOが最も必要とする能力を優先し彼らが最高の仕事に特化し共通の問題に多国籍としてのソリューションを求めている。同盟国がより効率的かつより少ないリスクで彼らが低コストで共に何ができるかを確立するために貢献し、NATOはその仲介者として行動するのである。


NATOがスマート防衛を駆動する理由が2つある。その一つは2008年の経済危機を発端として多くの諸国が厳しく収縮された防衛予算であること、そして二つ目はすべての同盟国が常時直面している防衛脅威の資質にあることが挙げられる。


ところでNATOのスマート防衛の中核となるのは国家間の共同ロジスティクス体制の重視である。これらの国々ではNATOの傘下でより多くのことを集約的に尽くすことであり片務的ではないということである。


言うまでもなくそれはNSPA(NATOロジスティクス・サポート部門)にとってより多くの責任を意味している。またAC/135およびNCS(NATO装備品登録システム)にとってはより多くの機会を意味している。


NATOのスマート防衛と密接に整合するのがコネクテッド・フォース・イニシアチブ(CFI)という考え方である。これは同盟軍構想ともいうべきもので名前が示すようにCFIはNATO加盟国とパートナー国との間のより大規模な協力、訓練や演習などを通じた各国軍のロジスティックス・ネットワークの間の繋がりを含むものとされている。


NATOはCFIの一環として行動計画へと発展することが期待できる数多くの共同作業(ワーク・ストランド)を定義した。そしてそのうちの2つの作業要素は以下の通りCFIとカタロギング(Codification)に関連したものとなっている。


例えば共同作業7はCFIに関するカタロギングの側面を調査するものである。また共同作業11では製品開発の初期段階内での相互運用性を確認するための方法を調査するものである。そして今後数ヶ月でAC/135はそれがそれらの目標を達成することができる方法についての同盟国からのアイデアを募集するとしている。


またNATOのスマート防衛は非NATO国であるパートナー諸国とのより多くの連携をすることに重点を置いている。AC/135は地域のリーダとして36か国からなるこれらパートナー国とNATO加盟国と結ぶ世界で最大の同盟国委員会となっている。


スマート防衛とCFIは防衛力に関するサミット宣言で公表した目標の達成を助長する。即ちNATO軍は2020年に向けてシカゴ•サミットの際に発表した現代的でしっかりとした同盟軍が装備し、訓練し、練習し、指揮されどのような環境においても彼らがパートナーと共に行動できるようになるために講じたものとして理解されている。(AC/135 16th News Letter Sept 2012)

■AC/135のミッションとビジョン

AC/135はNATO装備品識別システムを運営するのための委員会組織である。AC/135のビジョンはワン・システム、ワン・グローバル・スタンダード、そしてワン•ワールドである。


NATO装備品識別システム(NCS)は、もともと6カ国のグループで始まったが今や世界最大の装備品データベースとなり、すでに世界の64カ国が参加している。NCSは現在新たな課題を持ってすべての装備品のデータ品質基準、データ交換技術、マスターデータ管理などの資産継承を行っている。


AC/135の主な目的はNCSコミュニティを広げるために能力を強化し、国際関係やパートナーシップの発展に関するNATOの目標に貢献することである。 2011年には世界のすべての国の3分の1にあたる64カ国が加盟し、わが国もTier1(ティアワン)として新たに加盟することとなった。


現在AC/135は品目識別における装備品データを必要とする新たな国際規格の互換性に関する作業を進めている。このSSCプロジェクトは、フェーズ4に入った。識別をサポートするソース・データ交換を自動化するISO 8000の採択によりデータ品質管理は大幅に改善された。英国では初めてISO 8000とISO 22745に準拠したプラットフォームにおいて例えばテリヤ―型戦車のすべての装備品を完全に識別化することができ全体の72.5%の技術データの構築が高信頼性に基づき達成された。


またベルギーのブルージュで開催された第11回NCS世界フォーラムではNCSの挑戦と機会というテーマで全世界で約50カ国から約170名の防衛と産業界代表者が出席して行われた。今後の課題として益々減少するリソースと共有するタスクと識別化の利点を促進し、防衛産業界や他の組織団体と係合することが協議された。この2日間のイベントを通し産業界のパートナーとの総会やワークショップでの共通の関心事や目標についての合意があった。これらフォーラムの内容はAC/135ウェブサイトでアクセス可能である。

またAC/135内の NCSのトランスフォーメーション運営グループ(TSG)は新しい手法とプロセスを更新し、NCSの効率と品質の向上を目的としたシステムとして各国共通の相互運用性の強化を推進している。


今後NCSはTSGに集中されている5つの主要な分野(①サプライヤソースの識別化、②米国FLISとの変換システム、③識別化サービスの導入、④NCSのXML導入、および⑤NCSアプリケーション•データ)で24カ月のプロジェクト・ロードマップが示されている。なおTSGはNCBとITサポート、NSPAとの間の相互作用によるフォーラムである。


最後にNMCRLを運用・管理するNSPA(旧NAMSA)では、常に新しい機能を備えたNMCRLを強化している.。NMCRLのコード化を分かりやすく説明するために、ユーザーフレンドリーな非専門家ユーザーのためのモードと経験豊富な専門家のための高度なモードを用意し、さらにNSNの詳細画面を向上させることと新たにパッケージング・データを追加することを準備している。

【注1】NCS加盟には2つの段階がある。わが国は2011年4月にT1( ティアワンという )加盟を果たしたが これはまさに入門( エントリー )段階でNCSデータベースに登録された各国データの閲覧が許されるものである。NATO主要国や韓国やオーストラリアなどのT2(ティアツー)諸国では生産から廃棄までを含む装備品ビジネスはお互いに多国間で共有・管理され自国の装備品をNCSに登録して各国で運用する権利が与えられている。わが国の資材や部品、需品などの装備品を世界市場でビジネス機会を増加させるためにも早期にT2加盟の準備を始めておかなければならない。


そのためにはわが国の自衛隊が保有する170万品目ともいわれる装備品データのNSN化や国際共通化は真の同盟の証ともいうべきT2( ティアツーという )段階をクリアーしなければならない。近年、日米、日豪、日韓によるACSA協定の調印が国民の知るところとなったが、この米韓豪はともにロジスティクス先進国で既に次世代NCS導入に向けての研究に余念がない。とにかくT2加盟に対する意欲と研究を立ち上げ、産官学を通じてNCSを論じる場を創設することが急務となっている。

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