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2012年05月15日

【MILスペックの常識(第5版)頒布のお知らせ】

-MILスペックの総てを説くベストセラーの最新版ー
今までは公知規格に関する疑問をどこに問い合わせれば良いのかわからずあきらめることが多かったが、このような機会を提供してもらい大変心強い。官への根拠ある説明とする必要があったため当方でも把握している内容をあえて調べてもらったが、実に単純明快な回答で申し分ない。現場から当該情報によりプロジェクトが数件立ち上がり大変感謝している。公共規格を運用するユーザは多くの課題をこなすことが求められているが、なかでも改訂に伴う要求や検査方法の変更、認定品や枯渇部品の対策、ベンダ情報の更新などの調査精度が企業の信頼性を問われることになる。今回はこのほど刊行した2012年版MILスペックの常識(無料)のなかから抜粋して紹介する。(DCメール 2012年5月15日 No.317)


■2012年版MILスペックの常識

MILスペック・ユーザはスペックに記載された言葉のひとつひとつを理解し、正確に把握することを求められるが、多くの場合十分な対応がとられていない。その結果ユーザがこうむるトラブルの多発、コストの増加そして信頼性の低下など目に見えない被害がその成果を大きく妨げている。ユーザは必要スペックが改訂されるたびに内容を精査し部品や材料を決定するが、現実問題として受入検査時に多くの問題が生じている。ユーザがこれらの問題を解消するためには、ユーザの環境を整備してスペックに関する情報収集能力や理解力、問題解決能力を高めることはもちろん、関連部門や取引先に対しても知識レベルの向上、問題解決能力のスキル・アップなど、横断的な意識改革を徹底する必要がある。すでに着手したユーザがこれらの問題を解消していることが何よりもその事実を明らかにしている。(巻頭言より)


■MILスペックとは

米国防総省(DOD) による取得・調達を潤滑に図るための標準化文書のこと。この標準化文書のなかにはMILスペックの他、MIL 規格やドローイング、ハンドブックなど多種多様な文書が含まれる。数の上でMILスペックが圧倒的に多いのでこの標準化文書全体のことを通称MILスペックと呼んでいる。近年民間規格の採用が増加し、またMIL スペックも表記方法や構成内容が変わり昔のイメージのMILスペックという言葉も死語化しつつある。またMIL スペックは1994年当時4 万件余りが存在していたが現在はかなり削減されて3 万件を下回っている。MIL スペックはDefense Logistic Agency (DLA:後方支援庁)の下にあるDefense Standardization Program Office(DSPO:標準化推進事務局)が統括し、陸海空の各PA(Preparing Activities)部門が個別のMIL スペックを制作し、改訂や廃止の作業を行っている。各スペック担当者は常にMinimum Requirement (最低要求基準)が求められより安く、より早く、より良い製品を提供するためのスペックを作成する。しかし一方では戦略的な考えに基づいてMIL スペックが改廃されるともいわれる。


■わが国と米国防標準化政策

近年米国防総省(DOD)は米国だけではなく多数の同盟諸国との間で国際標準化推進活動を強化しており、NATO 諸国やカナダ、オーストラリアといった文化的にも米国に近い同盟諸国はDOD 主導による新しい標準化活動や取得改革を通じて相互運用性を高めており、着実に後方支援体制の強化を図っている。このような流れは今後益々多様化し文化的にも異なるアジア諸国を幅広く覆うものと考えられる。事実、韓国やシンガポール、フィリピン、マレーシアなどではNATO 援助国(Sponsorship Countries)として数々のDOD 後方支援情報の恩恵を受けている。わが国は現在米国と同盟国でありながらわが国の特殊事情によりこのような枠組みには参加できず、したがってわが国の防衛標準化業務や後方支援業務にとって必要不可欠なSTANAG やFEDLOG といった重要情報の供与に対しての恩恵も受けていない。DOD が目指す国際標準化とはDOD 主導による多数の関係国との相互運用性の構築による広域且つシームレスな後方支援体制の確立にある。今後わが国がどのような選択をするにせよ国家の基幹となる防衛標準が失われてはならない。


■民間スペックのあり方

MILスペックが民間規格に代替(Superseding)する際に、必ず起こる問題としてMILスペックと民間規格はどう違うのかという問題がある。そこで最も代替が多いひとつとされるSAE-AMS の立場から紹介する。AMS スペックは多くの製造メーカとそのユーザからの総意で成り立っている。その意味でAMSスペックは表記されたこれらメーカやユーザの総意であるといえる。またAMSスペックはこれらメーカやユーザの自由意志によるスペックであるともいえる。そしてAMSスペックはこれら技術者に対して有益で、補助的な情報として利用されるものである。この「スペックの利用」に同意するということは、即ち経済的において無駄を省くことがすべてであるということである。AMSスペックに表示された寸法や製品特性は、SAE が総括的に検討を図ったうえ、すべてを考慮した結果の表記となっている。またすべてのスペックは、記述的に、また技術的に有効であることを保証するために5年ごとの定期的な見直しが行われる。AMSスペックは技術的にいかなる先端性があっても必ずしもスペック改訂の要因とはならないが、設計や製造にはお金がかかるだけにコストに関する要因はスペック改訂の最も基本的な要因となっている。AMS スペックは、航空宇宙分野における原材料の製造や使用を単純化することで大いに貢献している。製造メーカとユーザは一致協力し、自発的にAMS スペックを使用することでお互いに協調している。生産無くして使用もありえず、双方の努力は欠かせないところである。


■MIL スペックに対するわが国の意識改革

弊社はMIL スペックの内容に不明な点がある場合、また誤記あるいは修正を必要とする部位が見つかるたびにDOD に調査を依頼している。またこれらの場合多くはDOD が迅速に修正し再公表している。またDOD はこれらの指摘に対しては素直に感謝の意を表明している。こういったことはそれだけわが国スペック・ユーザのMIL スペックに対する意識あるいは知識が変わってきたことを物語っており意識改革を強く推進してきた弊社としてはまさにわが意を得たものと感じる次第である。ただこのような事例はまだ一部のパワー・ユーザに限られており多くのユーザはMIL スペックを昔からの固定概念で捕らえているようだ。国民性の違いもあるがDOD は常により良いスペックを作るためには多くのユーザの見解や指摘を求めている。弊社では今後ともより望ましいMIL スペック環境の維持に鋭意努力し、また協力していく所存である。なおこのような事例はブログ・ユーザにおいても決して例外ではなく、常時身近に起きる問題として日頃から切磋琢磨してMIL スペックに接してもらいたいものである。


■MILスペックには誤記や誤字・脱字がある

わが国のスペック・ユーザは規格やスペックというと神聖化したものと見る向きもあるが実際のMIL スペックには誤記や表現の曖昧さ、あるいは基本的な間違いなど多くの問題を抱えている。しかしもうひとつ明らかなことはスペックの制定元ではユーザからの問題提示に対してきちんと対応する文化がある。わが国は何事にも律儀で、特に公式文書に間違いがあることに違和感を持つが、西欧諸国とくにアメリカでは誤りに対して一般的におおらかで、且つ素直である。これはスペックに関する限り「誤りデータを認めるということではなく、表記に誤りがあることを認める」ということである。いうならばこれがアメリカの文化(ビジネス・スタイル)でもある。スペックはその質量とも世界に類例のない標準化文書のデータベースである。わが国にとってこういった膨大な文書を常時最新に維持することは想像を絶する。が故にと言うべきかスペック・ユーザはこれらのスペックには間違いや誤りが存在する場合があることを知っておくことである。そして疑わしい場合は確認をするという姿勢が大切である。弊社ではDOD に対してユーザからの要望で多くのスペック誤記に関する問題を解決してきた。誤記を容認した場合のユーザ負担は計り知れないものがある。


■ MILスペックにはShallが多く使われる

A: MIL-STD-961(Standard Practice)では、Shallについてつぎのように定義している。Shall は動詞の強調であり、要求を表現するときに用いる。MIL スペックのセクション3,4,5で多用され、セクション1,2、6では用いられない。即ち、要求者はその気持ちをShallに託して、Shallに続く動詞を強調するために用いている。ちなみにMIL スペックのセクション3、4、5は要求項目セクションであり、セクション1,2、6は概要や関連事項セクションである。またShall の日本語訳は「するものとする」となる。 Shallが使われる条項は「Mandatroy(命令や強制の意)のもとでRequirement(要求の意)されている」ということを理解すべきである。なおMIL スペックではWillは単純未来として「・・・であろう」、ShouldやMayは主に「強制されない」条項で使用され「することができる」と訳す。またMustは基本的に使われない。


■MILスペックとMIL規格

わが国のユーザは総じて仕様(Specification)と規格(Standard)の違いに疎い。MIL スペック(Military Specification)は直訳すると米軍仕様書で「開発や調達するために要求に合った品目や材料、手順や役務についての技術要求を記載したもの」をいう。また表記方法も定められており、例えば標題(Title)、概要(Scope)、適用文(Applicable Document)のように順番に表記される。MIL 規格(Military Standard)は直訳をすると米軍規格で「計測が可能で比較検討できるように記された評価基準のこと」をいう。MIL スペックをMIL 規格とする規格本があるがはっきりと区分けをする必要がある。


■QPD の登場

この新しいオンライン・データベースはQPD( QualifiedProducts Database:認定品目データベース )と称され、2006年4月3日から正式稼動した。この結果、従来からのQPLやQMLは徐々にQPDに移管され、オンライン・データベースとして利用可能になっている。今後は個々のQPLやQMLのデータ更新がされる際に認定データセット( QDS )と呼ばれるデジタル・データに変換されてQPDとして使用可能となっている。なお今までは従来からQPLやQMLを入手していたASSISTDOCSサイト等には変換通知( Transformation Notice )が掲載され、QPDデータベースの利用を指示されASSISTからの利用を余儀なくされていた。MILスペックに適合した認定品情報はQPL( 認定品目表 )やQML( 認定業者表 )といって、その情報の取得は今日の防衛航空業界にとって必要不可欠なものとなっている。しかしながら米国防総省( DOD )によるこれら認定リストの最新版維持は予算的にもまたスピード的にも非常に厳しい状況にあり、最新情報でないためにトラブルが相次いでいた。一方ユーザにとって認定品運用については精度の高い情報を必要としており、そのための確認作業やエビデンスの入手は企業の信頼性を維持する上からも大変重要な業務となっている。


■無効スペック( Inactive )とは

正式には新規設計に無効(Inactive For New Design)といい、廃止(Cancel)されるまでの経過措置を言う。無効スペックは従来からの継続契約や再契約で有効であるが新規契約は無効とされている。現在約8000件の無効スペックが存在するがこれはまさに多くのMILスペックが廃止され、あるいは代替(Superseding)して性能スペックや民間規格に切り替わることを物語っている。


■コネクタが詳細(DTL)スペックになる理由を知りたい

MIL-C-39012, CONNECTORS, COAXIAL, RADIO FREQUENCY,GENERAL SPECIFICATION FOR はPRF スペックへ、MIL-C-9177 はDTL スペックに代替された理由を知りたい。1994年のスペック改革により契約業者が柔軟に対応するために性能重視の要求を強く要請した。DOD はスペックの見直しの際、PRF スペックに代替すべきかを決定するが、それは要求が性能で記述されるべきか詳細設計で記述されるか、双方混在させて記述されるべきかである。スペックが性能型に決定した場合PRF スペックに代替する。またDTL スペックとして維持するなら次回の改訂時にMIL-DTL に変更する。一般的に大半のコネクタはDTL スペックか詳細とPRF スペックの混在型であり、将来はMIL-DTL の指定となろう。例外として性能重視の決定がなされ、PRF 指定となる場合もある。


■公知規格の調査精度について

公知規格の調査精度を高めることは企業の信頼性を高めることになる。データクラフト社の調査精度はユーザにとって大変重要度が高く慎重に扱われている。これは某大手ユーザの直言である。公知規格や規格部品の運用に関するユーザからの問題提起や質問に対して、弊社では直接制定機関からの生の回答や見解を提供している。さらにユーザはこれらの指摘を正式な制定機関からのエビデンスとして取引先との交渉や製品の生産性向上に活用している・・・・・・・・


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◆2012年MILスペックの常識(第5版)頒布のお知らせ◆

このたびMILスペックの常識(第5版)を刊行しましたのでユーザ―の方々に無料で頒布いたします。ご希望の方は弊社までお問い合わせください。

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