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2011年11月15日

【WebFLISによる代替品調査】

-DODの枯渇部品対策 -
現在米軍ではWebFLISを利用して枯渇した部品の代替品を見つけ出している。しかしその裏側では代替品をWebFLISで検索できるようにするためにDODでは多くのスペシャリストが活躍しているのである。そこでここではそのバックグラウンド・ストーリーを紹介する。なおWebFLISはわが国でも防衛省をはじめ多くのユーザが利用している。枯渇部品の代替品を探すことはわが国においても重要な作業のひとつとなっているからである。この記事は2004年に当メールマガジンで紹介した内容を一部変更して紹介するものである。(DCメール 2011年11月15日 No.305)


■DODによる旧部品登録作業
米軍では通常稼動中のシステムや装置が故障した場合、米軍部品供給センタ(DSCC)に部品の交換を請求をすることができる。そこでWebFLISを含め米軍のロジスティクス情報システムがどのように機能しているか例を挙げて説明しよう。

 
請求元は某米陸軍の車両部隊である。ある戦車の部品が壊れたために交換部品を必要とした。しかし不運にもその部品が旧式であったために、枯渇していてDSCCのシステムはその請求をアイテム・マネージャ(品目管理責任者)に委ねることとした。そこでアイテム・マネージャは調査を行い、その結果、この部品は旧式技術のためにどのメーカも製造していないことがわかった。

 
そこで改めて車両スペシャリストに代替品を探すように依頼した。米軍ロジスティクスシステムにとって、戦闘用装備品は常に最優先事項であるからである。

 
アイテム・マネージャとスペシャリストは削減品目(IR)データベースを検索した結果、その互換品があることがわかった。そして請求元にその旨を報告し、代替品の採用が可能かどうかを検討依頼した。請求元ではその代替品が運用上の問題があるかどうかを評価し採用を決定した。その結果、改めて請求元はその代替品の請求を起こすこととした。

 
しかしこの事例で残念なことは、代替品を見つけるために多くの時間を費やしたことにある。戦闘用装備品の場合、時間的に遅れることの致命傷は誰もが知っている。そこでアイテム・マネージャは、請求元が代替品採用を決定すると直ちにこの代替品が採用されたことを正式に通達し、今後も同様な問題が生じても短時間で供給できるように配備したのである。

 
どのようにしてIRチームは代替品を見つけたのだろうか。それはまずIRチームは旧式部品と同じナショナル物品番号(NSN)の部品があるかを調査した。通常、部品メーカは部品を生産中止する場合、数種類の同等部品をもっている場合があるからである。IRチームは常に総合的に削減品目(IR)について研究しており、できる限り代替品を探し出すことを研究している。1つの互換品がいくつかの旧式部品に適用できるようにしているからである。

 
このIRデータベースはIRWSCと呼ばれるWEBデータベースで、米軍の部品管理者や現場のユーザによって参照可能となっている。これら部品管理者はユーザに代替提案をする調整役でもある。そこでIRチームはこれら管理者やユーザ向けに電子メールを配信して調査依頼するのである。またユーザは自らのシステムや装置部品が代替可能かを調査し、その結果を知らせるのである。

 
そのうえIRチームはもうひとつ重要な仕事がある。それはこの代替品情報をWebFLISに反映させるべく後方支援庁(DLA)に報告してデータ更新をさせることにある。これにより代替品はWebFLISに登録され、例えば米海軍のイージズ艦や空軍の航空機の修理部品の互換品として即時活用されることになるのである。

 
このようにIRチームは常にFSC(連邦供給分類)やINC(品目名コード)を通してすべての装備品の見直しを図り、NSN情報をふるいにかけている。そして重複が見つかるとこれらのNSNは上記のようなIRプロセスにより関連付けされIRデータベースで管理されることになる。これらは米軍全体で行われ、だれもがWebFLISを通じて利用できるようになっている。

 
IRチームは他方メーカや契約業者と接触して、これら廃止部品情報の収集に努めている。そしてこれらの情報が発見される否や、IRチームは調査して代替品や互換品を探し出すのである。このようにIRプロセスは旧式部品がもたらす弊害を排除するものとして大いに活用されており、NSN情報に関連づけられることで多くのWebFLIS利用者に代替品検索の可能性を与えているのである。

 
WebFLISは国内においても防衛庁やプライムベンダ、商社などで数多く採用されており、大きな成果を挙げている。WebFLISについての詳細や枯渇部品検索についてのお問い合わせは弊社までご依頼ください。

 
また、ここで紹介したようなDODにおける枯渇部品対策はわが国においても大変興味ある内容である。枯渇部品対策や代替品調査はわが国の装備品メーカにとってもユーザにとっても重要な案件である。この記事がなにかしらの解決策になれば幸いである。

 
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