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2011年07月31日

【災害救援物資のデータベース化を望む】

-国&地方自治体向けロジスティクスDB-
世界的な悲劇である津波や破壊的な大雨や強風の影響などわが国は多くの悲劇、それは人災であれ自然災害であれ、を目撃してきた。これらすべての緊急事態を経験することにより、わが国のもつ安全性やセキュリティおよび平和に対する必要性といったものをより強化することとなった。これは日本のことではない。6年前に災害救助と緊急物資品目データベース(DB)を構築した米国の話である。しかし地震や津波、台風や大雨災害など、今の日本にこそこのようなDB構築の必要性があるのではないか。今回はDC290号(2011年4月1日版)の記事を改めて書き加えた。(DCメール 2011年8月1日 No.298)



■災害救助品のデータベース化を望む
猛暑が続くなか、突然の集中豪雨は新潟県の信濃川を中心に多くの地域に水による大災害をもたらした。一週間前には台風による大雨が全国に被害をもたらしたばかりである。わが国は地震や台風に曝され続け、それでも国民はじっと我慢をしている。そのことは世界の国々にとっては驚嘆すべきことのようだが、災害救助ということになると彼らに取っては別の驚きがあったようだ。国の救助や支援策は迅速かつ効果的でなければならない。先の東日本大震災のときに多くの国から被災者救援チームが派遣された。彼らは瓦礫(がれき)に埋まった被災者を救出するために生体感知器を持参したが、わが国の、それも地方の市町村の被災地ではいまだに長い警棒のようなもので探っているのを見て驚いたという。中央政府はもとより全国の市区町村が一律で対応できる災害救助と緊急物資品目データベースの構築は、わが国がいついかなる場所においても被災者を迅速に救援する最良のツール(手立て)となるからである。

■アメリカの災害救済と緊急への備えからの教え 
アメリカによれば近年の歴史はアメリカに災害の準備を、それも強力な対応策をもつことを教えてくれたという。災害救済と緊急時の備えという特別のカテゴリーを導入させた理由がここにある。これは緊急時における包括的で、完全な資源を必要とする全政府諸機関向けの物品DBである。この新しいカテゴリーは緊急時に対処するためのあらゆる資源を縫合している。あの911の大悲劇から2004年にアメリカが震撼した津波や破壊的なハリケーンの影響まで、アメリカ国民は多くの悲劇、それは人災であれ自然災害であれを目撃してきた。これらすべての緊急事態は、アメリカ人のもつ安全性、セキュリティおよび平和に対する必要性といったものを強化することになったのである。

■GSAアドバンテージとは
GSAアドバンテージ(http://www.GSAadvantage.gov/)と呼ばれるこの災害救助と緊急物資品目DBはアメリカがリーダーシップをとる必要のあるときに効力を発揮する世界的な資源に対する物品DBである。その要求が準備や介入、反活動に対する解決策であれ、また緊急事態後の後方支援策であれ、堅く対応することで、国民の代わりとなって処置を講ずるのである。これにより平時はもとより生死を伴う緊急事態の際において、全米の各政府機関のニーズを満たすことを今まで以上に約束することになったのである。

確かにこのデータベースを検索してみると災害時や緊急時に必要とされるあらゆるものが識別類別されており、メーカー名や品名、そしてユーザ取得価格さえも表記されており常時データ更新されている。これにより被災の大小にかかわらず中央の行政機関や末端の地方自治体では統一データベースの検索により必需品を選択、取得できるように準備されている。また物流については陸海空の輸送手段により、一刻も早い被災地への救援活動につながっている。こういった装備品と一般物品が連邦政府の掌握の元、一元化されたデータベースで常時管理され、それが全米のすべての中央・地方政府機関で取得できるように整備されていることこそ、備えあれば憂いなし。過去の教訓を生かした行政となっている。

■わが国に望むこと
これをそのまま現在の日本に適用することは行政機構のあり方や法的な規制において難しいことはよくわかる。しかしながら中央政府が音頭をとり各省庁が一体となり、地方自治体、とくに全国津々浦々の県市区町村と連携をとることで多くの、特に僻地(へきち)での被災者が一人でも多く、一刻も早く救済されることができるこのような救済ツールの構築こそが求められているのではないかと思う。上で述べたように近年の歴史はアメリカに災害の準備を、それも強力な対応策をもつことを教えてくれたという。大震災があり、不順な天候がつづく今の日本がまさにそのときではないか。こういったDBを構築し、最新技術を屈指した救援装備品や便利で堅牢な生活必需品など多数の災害救助品をすべて識別類別して、メーカ情報や価格情報、納期情報、物品仕様といったものを常時更新しておく。これにより全国の市区町村では日頃から、あるいは緊急時において必要に応じてWEB検索から緊急物資や救援物資を迅速調達することができる。またメーカや物流業者情報を密にすることで常時備蓄品や在庫の調整を可能にして、節税対策にも繋がる災害救助ロジスティクス・ツールにもなるのである。地震や台風それに今回のような原発事故や風水害を想定した場合、わが国こそが恒久的な災害救助品や緊急物資のロジスティクス・システムを構築することを切に望む次第である。

■MILスペックとの関わり
ところでこのGSAアドバンテージとMILスペックのつながりについて紹介する。MILスペック・データベースに収録されているCID( 民間品目記述表 )はすべて米国政府の共通役務庁(GSA)で作成・維持管理されている。このCIDとは連邦スペックや民間規格に準拠した製品や物品の特性を簡単に記載したもので、特別な要求に基づいた設計や試験、品質検査、梱包、マーキングなどを不要にしたカタログ品取得にかかわっている。たとえば政府機関で使用する事務用品、衣料、食料品、車など特殊性の無いものはすべてGSAが管理している。特注品であるMILスペック品からカタログ品への移行など、米国政府の取得する物品は多種多様であり、これらの仕様書や規格はすべてDODの管理するMILスペックDBに収録されているのである。

DODによればCID物品は廉価で迅速取得をすることが要求されており、その意味で増加傾向にあるとされている。ところでGSAアドバンテージに収録される災害救助&緊急物資品目は膨大なGSA支給品目の一部である。GSAは2001年の同時多発テロや2004年のカテリーナによる大規模な自然災害を契機に2006年10月にこの災害救助&緊急物資DBであるGSAアドバンテージを導入した。

なおGSAは共通役務庁と訳され、米国連邦政府における中央省庁として全米国連邦政府の職員が職務を実行するために必要な職場や物資、役務、およびソリューションを最も妥当な価格で提供する。GSAは契約によって民間市場から毎年400億ドルの物資や役務サービスを取得し全米の各政府諸機関に提供する。GSAはおよそ1万5000人の職員を雇って,約130億ドルの年間予算を維持しているという。 ( 注:数字は2006年 )


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