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2011年03月01日

【MILスペック・アドバイザリー・サービス】

- 山積する課題を克服するために -
弊社は今日までの20余年にわたり米国防総省(DOD)とわが国のMILスペック・ユーザとの間に立ち、MILスペックに関する多くの問題を取扱ってきた。弊社にはMILユーザからはもちろんDODからの感謝の意が数多く寄せられている。その結果、取引先への改善提案として、また生産ラインの停止を未然に防ぎ、あるいは認定品の不具合検査にもその効力を遺憾なく発揮してきた。今、わが国は米国をはじめとする同盟諸国とつながりをより強固にすることが求められており、装備品取得に関わる運用管理手法も各国との協調体制が不可避なものとなってきた。このような環境において弊社では新たに【MILスペック・アドバイザリー・サービス】として個々の調査業務はもちろん、装備品の認定問題や枯渇対策、そして今後新たに登場してくるPBLやNCSなどの次世代ロジスティクス問題についても幅広く提言し活動していく。(DCメール 2011年3月1日 No.288)


■MILスペックー山積する課題を克服するために

このMILスペックには未だに不明な点が多々あり、解決しないまま次の工程に進んでしまうことは大きな不安が残る。これはわが国の代表的なユーザの声である。弊社では今までMILスペックとはなにか、どう向き合ったらいいか等、数多くの提言をしてきた。今、防衛省をはじめ国交省や経産省、会計検査院などを筆頭に数多くの官公庁やそれを取り巻く産業界・学界からの疑問・質問・調査依頼が後を絶たない。それらの多くは個別スペックに関する技術的な確認もさることながら、より広範なMILスペックに対する知識の習得を望む声が多い。


わが国の防衛装備品の取引には数多くのMILスペックが引用されるが、MILスペックの解釈や取り扱いについては相手先との立場の違いやスペックの取り扱い方などによりさまざまな問題が噴出している。その結果納期遅延や再契約など多くのコスト要因に発展する場合も少なくない。またこれらのケースでは往々にして相手先が海外企業であり、日本企業が振り回されている場合が多い。このような問題を根絶していくためにはどうしても自らが広範な知識と個々の問題解決能力をもつことが求められる。


ところでMILスペックは問題を想起しながら向き合うようにできているといっても過言ではない。DODをはじめ、欧米の多くの民間規格団体では世界中のユーザを相手に補助する組織をもっている。彼らは概ねユーザに対して親身になることで問題を解決する義務を背負われているといっても過言ではない。ユーザはスペックを通じてこれら作成者と向き合って習得することが重要である。


MILスペックは装備品取得に関わる契約文書で複数のMILスペックやその同等スペックが引用されることが特徴の一つである。ひとつのMILスペックが単独で使用されることはほとんどない。それはMILスペックがツリー構造からなり、多くのスペックを「引用」する形式を取っているからである。


また近年においてMILスペックは契約時の最新版を使用することが義務付けられている。多くのスペックを契約時に合わせて、あるいは契約の相手方の意向に合わせて版を統一して臨まなくてはならない。また契約当事者にとって望ましいことであればどんどん改訂された版を適用していかなければならないから絶えず最新版を追いかけていかなければならない。このことはユーザの責務となっているがまた重荷であることも事実である。


MILスペックはその時代を反映し、またその時の流れを組み込んで大きく変遷している。いわゆる昔からの「するものとする」という命令口調は大幅に数が減り「することができる」というようなユーザの判断に任せるような表現が今後益々増えていく。


またMILスペックには必須条項と参考条項があり、その2つを区別することが重要である。この2つは口調が異なるので明確に判断することができる。またMILスペックが民間規格に代替(移行)されるとスペックの文化も大きく変る。ユーザが戸惑うほどにまるで違うスペックになってしまうことはよくあることである。


しかし一方、スペック誤記の問題はこういった問題を越えて存在する。3万件に及ぶ膨大な専門領域には大勢のスタッフが各分野に配置されているがケアレス・ミス(通常タイポともいうが)は一向に無くならない。わが国のユーザはスペックや規格には誤りなどはありえないと考えている向きもあるが、米国式にいうなら「間違えは直せばいい」のだから言葉はもちろん数値なども数多くの誤りがある。


スペックの読み方ひとつでスペックが要求しているのか、していないのかを判断することも大変重要である。そのためにはどうしてもスペック作成者の意図を知ることが必要何よりも大切である。スペックの読み方は作成した人間に聞くのが最も簡単でありまた正確である。


これはわが国の工業界が自ら提言した言葉であるが、わが国における防衛・航空宇宙産業界の標準化活動は現在においてもMILスペックや海外の航空機メーカのスペックに依存している状態である。そのため自らが整備する意識が不足しており、今後ともデファクト標準としてのMILスペックを常時把握できる態勢の整備を検討する必要がある、としている。これは10年も前に提言された言葉ではあるが現在においても根本的には何も解決はされていない。


わが国の防衛・航空宇宙産業においてはスペックが改訂されるたびに内容を精査し、部品や材料の取得を決定するようにしているが、現実には中々思う通りにはいかない。事実、受入れ検査時に異なる版による納品問題が発生したり、また使用できなくなった旧版スペック部品
や材料が倉庫に大量に眠っている実態がある。そのうえ取引先から情報の遅れを指摘されたり、認定品が中止されたことを知らずに発注したり代替品の納期遅延を招くなど、スペック管理はもとより部品管理や資材調達にまでかかわる諸問題が数多く残されているからである。


これらの理由のひとつにスペックに記述された言葉のひとつひとつを理解し、正確に把握することが求められる現場ユーザにとって改訂により生じる見解の違いや表現の違いに十分に対応する暇( いとま )が無いのが最大の問題である。またMILスペック特有の内容や構成に慣れていなく、外国語に不慣れなスペック・ユーザがいることも現実
の問題である。しかしながらこれらスペックの内容や改訂にまつわる技術的な解釈問題は潜在的な問題として業界全体のテーマでもあり、結果的にユーザ企業の潜在的なコスト要因となっていることも事実である。

 
かっては取引先やプライムベンダー任せであったMILスペックの改廃情報や認定情報も現在では自らが進んで取り組まなければならなくなった。しかしながら数多くの変更情報をどのように見極めることができるのだろうか。また業界全体を覆うコスト削減や人員縮小も手伝って専門家を十分に育成できない環境もある。しかも契約遵守や納期管理の中で最新版スペックに原語で記載された新しい試験や検査方法を早期に習得しなければならず、わが国ユーザに突きつけられた課題は山積している。

 
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