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2010年05月17日

MILスペック・トラブル根絶のために

ーMILスペック調査回答より抜粋ー
わが国の防衛装備品等の取引には多くのMIL スペックが引用されるが、これらの解釈や取り扱いについては相手先との立場の違いや、またスペックの取り扱い方によってさまざまな問題が噴出している。その結果納期遅延や再契約など多くのコスト要因に発展する場合が多い。これらのケースでは相手先は海外企業であり往々にして日本の企業が振り回されている場合が多い。このような問題を根絶していくためには個々の問題をしっかりと処理していく姿勢が求められる。(DCメール No.269)


取引に関するスペックのトラブル事例
取引や取引先に起因する公共スペックに関わる問題が多発している。弊社ではDODなど公共スペックの制定機関からのアドバイスにより実際の取引にかかわる問題を解決しているが、ここにあげるケースは氷山の一角に過ぎない。また、ここに紹介する事例は誰もが一度は経験しているものである。DOD ではMIL スペックを伴う取引には必ず取引先との事前の打ち合わせあるいは事前の検討によりスペックに関する取り決めを取引に織り込むことの必要性を強く説いている。また制定機関に確認して正しい判断を仰ぐことが大変重要である。
注:ここに紹介する事例は必ずしも最新情報ではない。


■インアクティブ文書の代替スペック
MIL-S-55541Hと②MIL-S-55286Eのスペックがインアクティブになり使用が中止されたが、代替スペックがあるか教えて欲しい。
【A】DODスペック担当から以下のような回答があった。①ASTME1975 ②ASTME1974が代替スペックである。なおAdoption Noticeが発行されているので参照されたい。


■スペック番号に付く括弧
例えばMIL-H-24136A の後ろに括弧付きで(SH)、(SHIPS)という文字が付加されているが、これらは何か。
【A】スペック表紙の右肩にある番号表記はIDENTIFIER(識別記号)と呼ばれ記載方法にルールがある。質問の付加()であるが、これは当該スペックがLIMITED-COORDINATION(限定調整済み)であることを示している。例として(Navy)は米海軍が使用することを許された調達仕様書であることを示す。なおSHはNaval Sea Systems Command のコード名。なお、これらはSD-1(Stnadardization Directory)に掲載されている。


■シリーズ・スペックのキャンセル理由
下記に示すMIL-T-81714 SERIESⅡがすべてインアクティブあるいはキャンセル理由を調査願う。
①MIL-T-81714/60A(Document Status:Inactive)
②MIL-T-81714/61A(Document Status:Inactive)
③MIL-T-81714/62A(Document Status:Canceled)
【A】現在MIL-T-81714/60、MIL-T-81714/61は SAE-AS81714に移行過程にある。なお技術要求内容は従来スペックと変更はない。またMIL-T-81714/62はSAE-AS81714/62として移行するようにSAEに要求中である。


■同一内容スペック連用の背景
SAE-AMS-2404とSAE-AMS-C-26074は、ともに無電解ニッケルメッキの規程が運用されているが双方運用の背景を調査願う。
【A】SAE-AMS-C-26074はDODからの要請でSAE-AMSに転換したMILスペックで、従来はMIL-DTL-26074Fである。また内容は従来のMILスペックのままである。同等タイトルのAMSスペックとMILスペックが独立して存在しているが、今後SAEは移管されたSAE-AMS-C-26074の見直しを図り、その際に既存のSAE-AMS-2404との共用性あるいは統一性を図る。


■購入先から変更文書が届いたが正式文書として有効か
MS25361の部品を購入した際に米国メーカからスペック改訂までの間DODにより変更が許可されたとの文書が提示されたが、正式文書として採用すべきか判断できずに困っている。
【A】DODの当該スペック管轄に確認したところ、当該文書は正式に受理されており有効であるとの回答を入手した。よって正式文書として採用することができる。


■取引先からスペックが改訂されている話がでたが本当か
MIL-STD-1629のB版があるということを取引先から聞いたが、公式サイトではA版のNOTICE 3で廃版となっている。真偽をただしたい。
【A】DODからの回答はMIL-STD-1629Bの計画はない。もしその話の出所がわかるなら再度当たりたい。またA版はNOTICE3で廃止されたが、その方法や手順が無効になったわけではないのでMIL-1629Aと意図を同じくする文書を参考までに紹介する。


■認定品が生産中止になり困っている。
国内認定で使用されるMIL-S-8784が生産中止となり代替品を輸入しなければならなくなったが要求値に合致したシーラントではなく認定されたシーラントが必要となる。
【A】現在はAMS-3284に移行(代替)されているために認定品はない。なお代替品としてはA社のAC-615あるいはCS-3300が存在する。 しかしながら現行スペック(AMS3284)の運用を検討してほしい。


■購入先から未認定品を受けてよいか判断できない。
MIL-PRF-22750は塗料を規定するスペックであるが認定業者から認定色以外を認定品として調達することを要請されている。業者は可能であると言っているが判断に苦慮している。
【A】 認定業者からの調達品であればスペック要求に準拠していると思われるが塗装色規格のFED-STD-595の要求を満たしている必要がある。


■顧客から旧版スペックによる依頼があったが製造可能か。
顧客がQQ-A-200/3E(旧版)を指定して交換用として要求した場合、メーカとしては2024-T3を製造することは可能か。
【A】その通りである。その場合メーカは旧版や背景などの通知を製造や納品の事前に行うことである。顧客には発注の打ち合わせの際に通知することが望ましいと思う。契約(発注)後では納期の遅延を招く原因ともなる。あらゆる問題を防ぐために最も必要なことは、顧客とメーカの協力的なチームワークである。


■スペック・アウト品が入荷したがメーカは合格品と言っている。
MS26574Hのスペックで注文したら、スペック外品が入荷した。メーカは現在はI版に準拠して製作しているから合格品であると回答してきた。
【A】MS26574の最新版はHである。現在改訂する予定は無い。


■AMSの認定品を探しているが困っている。
AMS 3284を満たす物品を購入したいがどうしたらいいか。
【A】AMS 3284はSAEの関連団体のPRI-AMSから認定品目表(QPL)PRI-QPL-AMS3284が発行されているので利用されたい。


■PRFの新たな認定品探しに苦労している。
MIL-PRF-81352CにQPL-81352は存在するか。本文に記載されるQPLが見当たらない。QPLが無い場合当該スペック品を製造しているメーカ名と製品名を調査願う。
【A】当該スペックには現在QPLは存在しない。今後要求が出る可能性はある。


■顧客から廃止になっていると言われて慌てる。
MIL-T-55155は顧客より97-9-26で廃版となっているとの連絡をうけたが本当か。その場合DSCCの認定をうけた工場であれば今後も製造可能か。またA-A-59126に移行したとのことであるがどこの管轄で管理されているのか。
【A】09/26/97付けにてMIL-T-55155Cの廃止通知が発行されている。スペックが廃止されるとメーカは製造を中止するが、需要があれば製造を継続する。A-A-XXXX型のスペックはCID(Commercial Item Description)と呼ばれ、一般品(簡易型)のスペックとしてGSA(General ServiceAdministration)により管理されている。このケースでは従来からのMILスペック品を廃止してCommercial(一般)品としてGSAが管轄するようになった。このGSAはA-A-XXXの仕様にあったメーカ品を常時登録しておくことで、政府調達を簡便化、迅速化、低コスト化させている。


■双方のスペックが有効なために取引先との見解が異なっている。
超音波検査方法を規定するMIL-STD-2154とAMS-STD-2154は双方が有効であり今後の社内適用規格としていずれを適用すればよいかについて材料メーカと購入先での見解が異なっている。
【A】今後数ヶ月以内に関係機関での調整が行われ正式にAMS-STD-2154が採用され、その結果MIL-STD-2154は廃止されることになる。なおそれまでの間はMIL-STD-2154が正式文書となる。


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