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2009年12月14日

わが国の装備品監督・検査のあり方

防衛省装備品監督・検査概況(平成21年度版)から 
このたび防衛省は平成21年度版として調達装備品の監督・検査についての概要を公表した。そこで今回はより多くの公共スペック・ユーザにその内容を熟知し精通してもらう目的で引用し紹介する。なお防衛省は今後ともより効果的、効率的な監督・検査のあり方について模索・研究を推し進めており弊社に対してもその一端の協力を要請している。【DCメール】 2009年12月15日 No.259


防衛省装備品監督・検査の概況

 ここに紹介する概況は防衛省による平成21年度版「装備施設本部の概況」からの抜粋である。当概況でも述べられているように、防衛省における効果的かつ効率的な装備品の監督・検査のあり方については今後とも更なる研究が進められており、その内容については公共スペックを利用するユーザにおいても十分な熟知が求められている。なお当抜粋はそのまま掲載されているがより詳細な内容は以下のURLから入手が可能である。
http://www.epco.mod.go.jp/gaikyou/chapter2-5/chapter2-5.htm
 
 
1.監督・検査の意義

 監督・検査は、会計法に基づき、契約の適正な履行を確保するための手段です。監督は、通常、製造又は役務の請負契約の履行過程において、必要な立会、工程管理、材料・部品等の審査又は試験、細部設計書の審査・承認等の方法により、検査では確認できない部分について、契約物品に対する要求事項が確実に具現されるよう要時要点に対して行うものであり、これによって納期までに満足し得るものを確実に取得できることになります。検査は、契約履行の最終段階において、給付内容の適否及び給付の完了を確認するために行われるものであり、防衛省では、これを完成検査と受領検査に分けて実施しています。監督と検査の関係は下図(略)のとおりです。特に防衛装備品には、複雑高度なものが多いため、後述する3つの方式を要求内容に応じて選択し、監督・検査の効率的、効果的な実施に努めています。
 
 1.(1) 完成検査

 完成検査は、契約物品が納入場所に送られるのに先立ち、契約相手方の工場等において品質を確認するために行う検査で、契約物品が契約書、仕様書等の要求事項に合致するか否かを判定するために行われます。完成検査で合格と判定されると完成検査合格証が交付されます。しかし、完成検査に合格しても、受領検査において合格と判定されなければ、契約に基づく給付の完了とはなりません。

 1.(2) 受領検査

 受領検査は、契約物品が納入場所に搬入された後、納入場所において、契約物品が契約書、仕様書等の要求事項に合致するか否かを判定するために行われます。受領検査には、数量及び輸送中の事故の有無のみを確認する検査と部隊等において据付調整等を要する装備品等について、品質及び数量の確認を行う検査の2方式があり、前者が大部分となっています。
 
 
2.監督・完成検査の方式

 監督・完成検査には、直接監督・検査方式、品質証拠監督・検査方式及び資料監督・検査方式の3方式があります。

 2.(1) 直接監督・検査方式

 材料、部品及び半製品又は調達品等を直接に検査し、又は試験して要求事項に合致しているか否かを確認し、合否の判定を行う方式をいいます。

 2.(2) 品質証拠監督・検査方式

 仕様書において品質管理方式による製造、修理等が要求されている場合に適用される方式であり、契約相手方が品質管理方式を適用した材料等又は調達品等に対して品質証拠の審査を行うことによって、当該調達品が仕様書の要求事項に合致しているか否かを確認し、合否の判定を行う方式をいいます。

 2.(3) 資料監督・検査方式

 材料、部品及び半製品又は調達品等について、国の機関又はこれに準ずる機関が検定等に基づき品質を保証している場合、訓令に基づき製造設備等の認定が行われている場合又は品質、契約相手方の技術水準等が一定の基準に達しており、かつ、契約上取替え等が担保されている場合において、その契約相手方から、提出された品質保証資料等を審査して仕様書の要求事項に合致しているか否かを確認し、合否の判定を行う方式をいいます。

【品質管理方式:】品質管理方式には、防衛省仕様書(DSP)によるもの及び国際規格(ISO規格。翻訳したものをJIS規格としている。)によるものがあります。
 
 
3 監督・検査の実施

 監督・検査は、監督・検査に関する手続、手法、評価基準等を定めた関係規程類、契約書、仕様書等に基づき、支出負担行為担当官の補助者として任命された監督官及び検査官が実施しています。なお、監督及び完成検査は通常、地方防衛局が行っておりますが、品質向上のための体制強化の一環で、支出負担行為担当官が必要と認める場合、本部の職員に命じて行うことのできる監督として、平成17年度に品質監査の制度を設け、実施しております。受領検査は通常、装備品等の受領部隊等が行っているほか、工場を納入場所とする場合には、当該工場を管轄する地方防衛局が行っています。また、監督・完成検査は、対象品目ごとに、次のような監督・検査方式により実施しています。

 3.(1) 一般装備品

 一般装備品(火器、通信器材、弾火薬類、需品、機械、車両等)の監督・完成検査は、主として直接監督・検査方式によるほか、品質証拠監督・検査方式及び資料監督・検査方式で実施しています。

 3.(2) 船舶等

 船舶等の監督・完成検査は、主として直接監督・検査方式によるほか、品質証拠監督・検査方式及び資料監督・検査方式で実施しています。

 3.(3) 航空機等

 航空機等の監督・完成検査には、品質証拠監督・検査方式と資料監督・検査方式があり、品質証拠監督・検査方式は製造請負契約の大部分に、資料監督・検査方式は売買契約に適用しています。

 3.(4) 誘導武器等

 誘導武器等の監督・完成検査は、主として品質証拠監督・検査方式によって行っていますが、一部の構成品については、直接監督・検査方式又は資料監督・検査方式で実施しています。

 3.(5) FMS物品

 FMS物品は、原則として、米国内の米軍補給廠又は米国製造業者の工場で、米軍が検査の上、※輸送代行業者に引き渡されることになっており、当該物品の受領検査は、受領部隊等が行っています。

【輸送代行業者:】FMS物品の受渡場所(米軍補給廠、米国製造業者の工場)で米国政府から引き取り、支出負担行為担当官の指定する引渡場所(例えば横浜港)まで輸送を行う業者をいいます。
 
 
4 監督・検査とISO

 品質保証及び品質マネジメントシステムに関する一連の国際規格である※ISO9000 シリーズは、市場の国際化に伴い民間企業を中心に導入されてきており、我が国においてもISO9000の認証を取得する企業が増加しつつあります。防衛省では平成10年度から、従来、仕様書において品質管理方式による製造、修理等が要求されている調達品に対して、この国際規格の段階的適用について次のとおり改善しつつあるところです。

 4.(1) ISOの適用

 防衛関係企業においては、防衛省の要求するDSPによる品質管理体制と民需において要求されるISO規格の品質マネジメントシステムの二重の体制がとられることにかんがみ、品質マネジメントシステムの一本化による合理化を図ることを目的にISO規格を適用することとしました。しかしながら、防衛省が規格を検討した結果、ISO規格では防衛省の要求を満足できない項目が有り、これらが防衛装備品の調達には欠かせない事項であることから、ISO規格を適用する場合には、当該不足部分を付加することにしました。この結果、防衛省としては、平成10年度の契約書(仕様書)から品質管理体制として、企業側がDSPあるいはISO及び当該不足部分を付加したもののどちらかを選択できるようにしました。

 4.(2) 監督・検査要領の改善とその期待する効果

 本章第2項「監督・検査の方式」で記述したとおり、監督・検査を3つの方式で実施していますが、ISO9000シリーズは品質管理体制に関する規格であることから、その中の「品質証拠監督・検査方式」に該当します。従来、防衛省の監督官が企業の品質管理体制を直接確認していましたが、契約相手方がISOの認証を取得している場合には、当該契約相手方を審査した審査登録機関の審査結果を活用できるように標準品質証拠監督・完成検査実施要領を改正し、監督の効率化を図りました。

 4.(3) ISOの認証取得と契約の関係

 ISOの認証取得は、防衛省と契約を締結する上での条件となっておりません。また、ISOの認証を取得しようとする企業は、(財)日本適合性認定協会(JAB)(海外の類似の認定機関を含む。)により認定されている審査登録機関の中から選択して認証を取得することができます。また、ISOの認証を取得していなければ、従来どおり地方防衛局の監督官による品質管理体制の審査を受けることは可能です。

 4.(4) 防衛関係企業におけるISOの認証取得状況
 
 平成19年度における品質証拠監督・検査方式による監督・検査を適用している企業は214社あり、このうちISOの認証を取得している企業は下図(略)のとおり187社(87%)でした。特に、防衛省が内外にISO導入の方針をアピールした平成8年度頃からISOの認証を取得する企業が急増しております。ISOの認証を取得した企業のうち、審査を実施した審査登録機関の審査結果を活用する監督・検査(第三者監査監督)を適用している企業は、平成19年度においては163社であり、平成10年度導入以来、第三者監査監督は各企業に浸透しており、監督・検査の効率化が図られているものと考えています。また、ISOの認証を取得した防衛関係企業を分類しますと、下図(略)のとおりであり、防衛関係企業においては航空宇宙の分野が積極的に認証を取得する傾向にあります。

 4.(5) JIS Q 9100の導入

 防衛省は、ISO規格(JIS Q 9001)に加え、平成13年度から航空宇宙産業用の品質マネジメントシステム規格であるJIS Q 9100を導入しています。この規格は、DSPの要求をほぼ満足しています。防衛省は、ISOの普及に併せて企業の負担を軽減すべくISOの導入を促進してきましたが、今後、防衛関係企業が当該規格の認証を取得することにより、品質マネジメントシステムの監督・検査の更なる効率化を図ることができるものと期待しています。

【ISO9000規格(国際品質保証規格):】ISO(国際標準化機構)が1987年に制定した「品質管理及び品質保証の規格のことで、製品そのものでなく、企業の品質管理体制について要求事項を規定した国際規格」をいいます。
 
 

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