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2009年08月02日

MILスペックとどう向き合ったらいいか

人気バック・ナンバー①
「MILスペックに不明点が多々あり、解決しないまま次工程に進んでしまうことが多く、担当として不安が残る!」このような声が弊社に届いた。弊社にはこのようにMILスペックについて何かしらの疑問や不明点の問い合わせがぶつけられてくる。しかしこれは当然のことである。むしろ問題がないほうがおかしいからである。弊社では問題のある無しはMILスペックに対する向き合いかたの問題であって、それによって問題を解決することが望ましいと考えている。MILスペックはこのように問題を想起しながら向き合うようにできているといっても過言ではない。【DCメール241号より】


■MILスペックとどう向き合ったらいいか
 
 MILスペックは装備品の取得に関わる契約文書のひとつである。たとえばある装備品を取得する場合、かならず複数のMILスペックやその同等スペックが引用される。ひとつのMILスペックを単独で使用することはない。それはMILスペックが多くのスペックを引用する形式(Applicable Document)を取っているからである。MILスペックは契約時点の最新版を使用することが義務付けられているから、多くのスペックを契約時点に合わせて、あるいは契約の相手方の意向に合わせて適用する版を統一して臨まなくてはならない。また契約当事者にとって望ましいことであればどんどん新しい版を適用していかなければならないから絶えず最新版を追いかけていかなければならない。
 
 
■大きく変遷する解釈
 
 MILスペックの改版はその時代を反映し、またその時々の流れを組み込んで大きく変遷している。いわゆる昔の「するものとする」(mandatory)から現在の「することができる」(voluntary)というように指示の度合いも変化しているのである。またMILスペックには必須条項と参考条項があり、その2つを区別しなければならない。そのうえ民間スペックに移行(代替)すると、スペック自体の「文化」も大きく変る。まるでまったく違う仕様書になってしまうことになるわけである。
 
 
■まずルールを知ることが大事

 MILスペックの記述にはルールがある。詳しくはMIL-STD-961や962を参考にしてほしいが、記述される単語やフレーズの「定義づけ」の理解は必須である。また改廃文書の形式も知っておかねばならない。しかし、そのうえで「誤記の問題」はこういった問題を越えて存在するので常に注意が必要である。このようにMILスペックを読みこなすためには、専門領域の知識だけではなくMILスペックのもつ独特の文化や習慣、ルールといったことも勉強しなければならない。しかしこのような先人たちの労苦により、多くの改善提案がなされるばかりでなく、またMILスペックそのものもその誤りを修正することができたことは何よりの糧となっている。
 
 
■では、どのような問題があるのか。

 ではどのような問題や疑問があるのか。最近の事例の中からMILスペックの不注意による記載の誤りや、また誤解を生むような記述による問題点をいくつか紹介しよう。一番多いのは文書比較からの不一致による問題である。スペックが変遷する中、仕様や数値がどのように変化したかを知ることは重要である。そのプロセスにおいて多くの疑問や質問が生じるが、これらの問題意識は大変重要である。上で述べたように、解決しないまま次工程に進んでしまうケースが圧倒的に多いのではないか。これらの未解決部分は心配ないだろうか。ユーザは改めて考えなければならない。なかには避けて通れない問題もあるはずである。また明らかな誤りもある。(ここで紹介する事例はすべて実例であり、また担当機関からの回答により解決済みである。また質問者の意向を考慮し、また広くユーザに周知するために一部を書き換えてある。)
  
■AMS-H-81200Bに誤記と思われる記述がある。
 Table 5 Note 6, Note10 の記載に問題があり、共に華氏から摂氏への変換ミスであると思われる。ちなみに誤は 50 to 75°F(14 to 32℃) 正しくは 50 to 75°F(28 to 41℃)ではないか。
 
■AMS-S-8802BでTYPE 1がキャンセルされた理由を知りたい。
 AMS-S-8802B では TYPE 1 と TYPE 2 の2種類の SEALING COMPOUND が規定されているが、TYPE 1 は前身である MIL-S-8802F (3)でキャンセルされている。キャンセルされたものが復活したことについてその理由とともに説明を欲しい。

■AMS4267において7055-O材の熱処理時間の公差が不明である。
 アルミ合金製部品の熱処理は一般的には AMS2770 に従って熱処理されるが、AMS2770G には 7055-O 材の熱処理条件が規定されていない。本材料は3つの温度での熱処理が必要である。250±10゜F で「24時間」の析出硬化処理及び 320±10゜F で「4時間」の析出硬化処理に関して熱処理時間の公差が不明である。

■MS27645-4Aの意味するところを明瞭に理解できない。
 当該部品のベアリングの作動確認のためインナー・レースを回したところシールも同時に回ってしまうという現象が起きた。この現象はスペックで見た場合OKなのかNGなのかが不明である。この原因のひとつに記載のMINIMUM TORQUE TO DISLODGE SEAL の意味するところがわかりにくいことがある。

■MIL-STD-2219AはクリチカルなクラスAには要求されないのか?
 MIL-STD-2219A にはQualified weld settings are required for manual welding of Class B welds.という一文があるが、なぜクラスBにだけ溶接設定値の認定が要求されるのか。よりクリチカルなクラスAには要求されないのかという疑問がある。

■QQ-P-416Fのベーキング時間はなぜ時間が長くなったのか?
 カドミウムめっきQQ-P-416応力除去処理が3時間以上ベーキングしなければならないから4時間以上 に変更された。またぜい性除去が3時間以上ベーキングしなければならないから8時間以上 に変更された。 これらのベーキング時間がなぜ長くなったのかの理由を必要とする。

■AS7114/2の部品個々の測定を割愛することは可能か。
 AS7114/2:に、Adequate magnetic field strength shall be determined by one or a combination of three methods.とあるが、適切な磁化条件で作成した written procedure に従って検査を行うことによって、部品個々の magnetic field strength の測定を割愛することは可能か。それとも、 magnetic field strength の測定は、Magnetic particle test を行う部品個々について行うべきかの見解を必要としている。

■QQ-B-728 NOT1に誤記と思われる記述が発見された。
 記述部分を添付するのでDODの見解を質して欲しい。

■MIL-DTL-81706は何故ASTM B 117と角度を変えているのか
 ソルト・スプレー試験においてMIL-DTL-81706では 6 degrees from the verticalであり、ASTM B 117 では 15~30 degrees となり試験パネルを設置する角度が異なるがその理由を知ることは重要である。

■材料スペックの規格値が何故異なるのか?
 075-T76511 という Al の材料の材料Spec、AMS-QQ-A-200/15 ではその規格値は4" まで明記されているが、MIL-HDBK-5H には 1" までしか規格値がないのは理由がわからない。
 
  
 
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