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2009年06月02日

呼び出し文書に関する基礎知識

MILスペック基礎知識編 
MILスペックに呼び出される文書がキャンセルされた場合、自動的にスーパーシードされた文書に読み替えてもよいかという疑問が誰にでも起こ る。この呼び出し文書(Applicable Documents)スタイルはMILスペッ クの特徴のひとつである。今回はこの疑問に答えると共に、呼び出し文書 に関わるいくつかの情報をまとめて掲載するので参考としていただきたい。【DCメール】 2009年6月1日 No.246



呼び出し文書(APPLICABLE DOCUMENTS)とは。 (AN.246-1)

 MILスペックは「スペック・ツリー」と呼ばれるツリー(木)構造をした 関連文書の呼び出し方式を採用している。これはMILスペックのセクショ ン2、Applicable Documents (適用文書ともいう)がその当該項目に当たる。、 MILスペックに呼び出されるスペックや文書はこのセクション2に記載する ことが義務付けされている。そのことを詳細に述べているMIL-STD-961では以 下のように記載している。

 「セクション2にリストされる文書は、セクション3、4あるいは5に特定 される。このセクションにはそれ以外のセクションに引用される文書や付加 情報や単に例として推奨される文書は含まない。あらゆる努力がこのリスト の完全性を保証するためになされているが、ユーザはリストされてもいなく ても、この仕様書のセクション3、4あるいは5に引用された文書に特定さ れた要求をすべて満たさなければならないことに注意するものとする。」

 2. APPLICABLE DOCUMENTS 2.1 General. The documents listed in this section are specified in sections 3, 4, or 5 of this standard. This section does not include documents cited in other sections of this standard or recommended for additional information or as examples. While every effort has been made to ensure the completeness of this list, document users are cautioned that they must meet all specified requirements of documents cited in sections 3, 4,or 5 of this standard, whether or not they are listed. (MIL-STD-961Eから抜粋)

 すなわち、呼び出し文書はスペックのセクション3(要求)、4(検証)、 および5(梱包)を目的にして関連する文書を呼び出し、リスト化するもので、 3,4,5以外のセクションに対するものではないことをまず知っておくべき である。またここではユーザは文書が呼び出されていようがいまいが、セク ション3、4、あるいは5に指定された要求をすべて満たすことに注意しなけれ ばならないとしている。リストされていないからと言って、要求を満たさない 理由にはならないことを銘記すべきである。
 
 
呼び出し文書がキャンセルされたらどうしたらいいか。 (AN.246-2)

 そこで、MILスペックで呼び出される他の規格やスペックなどが、キャン セルされて他の文書に移行(スーパーシード)された場合はどう考えたら よいだろうか。自動的にスーパーシードされた他のスペックや規格に読み替 えてもかまわないだろうかという疑問がある。 MILスペックを作成する基準となるMIL-STD-961ではこの問題について次の ように記述している

 「MILスペックのセクション2の2.2.1項では当該スペックの一部分と なす呼び出し文書は特段の指定がない限り、要求元からの要請(Solicitation) あるいは契約に引用された版(Issue)を使用するものとする。」

 5.7.2.1.1 Defense specifications shall include the following paragraph as 2.2.1 if specifications, standards, and handbooks are to be listed as applicable documents: “2.2.1 Specifications, standards, and handbooks. The following specifications, standards, and handbooks form a part of this document to the extent specified herein. Unless otherwise specified, the issues of these documents are those cited in the solicitation or contract.” (MIL-STD-961Eから抜粋)

 すなわちスー パーシードされた文書に読み替えるか否かは、個々の契約(要請) に順ずるものという解釈が正しい。その意味で「自動的にスーパーシードされた 公共規格に読み替えてもよいか?」という問題提起については要求元の 要請 (Solicitation)次第であると考えるべきである。 MILスペックの中では最新版を適用するあるいは呼び出し文書も最新版を適用するとは記載しない。どの版 を適用するかは個々のケースで異なるからである。そこで、最新版を適用するか しないかは個々の契約の問題として要求元あるいは契約責任者が決定するものと している。この件については個別スペックの2.2.1項で詳細に説明している ので必ず参照することが求められている。
 
 
呼び出し文書の階層は第一層のみに限定している。 (AN.246-3)
 
 この呼び出し文書スタイルは切りがない。どこまでを参照すべきなのであろ うか。この問題に関してDODはTiering of Specification and Standards、 すなわち「呼び出し文書の階層」という言い方をして明確に提言している。 下記は1994年6月29日に公布されたいわゆる 「MILスペック改革」に関する覚書(Memorandum)の一節である。

 「スペックと規格の階層:契約に引用されるシステム・スペック、サブシステム・ スペックおよび装置・製品スペック(第一層に参照されるスペックを含む)は 強制的(Mandatory)に使用されるものとする。それ以下の階層の参照文書は単に 目安だけのため( For Guidance Only )のものとされ、契約で直接引用されない限り、契約上縛られることはない。(後略)」

 Tiering of Specification and Standards: During production, those system specifications, subsystem specifications and equipment/product specifications (through and including the first-tier reference in the equipment/product specifications) cited in the contract shall be mandatory for use. Lower tier references will be for guidance only, and will not be contractually binding unless they are directly cited in the contract. Specifications and standards listed on engineering drawings are to be considered as first-tier references. Approval of exceptions to this policy may only be made by he Head of the Departmental or Agency Standards Improvement Office and the Director, Naval Nuclear Propulsion for specifications and drawings used in nuclear propulsion plants in accordance with Pub. L. 98-525 (42 U.S.C. '7158 Note).

 いわゆる1994年にDODが始めたMILスペック改革はそれまでの方針を 変えるものとして、大きく評価されたが、そのひとつにこの呼び出し文書階層 の削減があった。従来の方針では「呼び出し文書は第三層までさかのぼり参照 する」とされていたがこの新しい方針により、第一層のみが義務化され、それ より下層は単に目安として参照することに変更した。

 これによりMILスペック・ユーザは大幅な効率化を実現することができるよ うになり、それが装備品の納期短縮、コストダウンに寄与したことは言うまで もない。また、これはあくまでも基本姿勢であり、個別のケースにおいては各 契約で定められることもまた言うまでもないことである。

 なお当時、この実行を直ちに開始するように指示したが、進行中の案件に影響 させるわけにはいかず、したがって180日の据置期間を許諾し、1995年 1月以降の契約に付随する参照文書は第一層に限定することになったとされている。

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